「アッツッツ〜」と正座を終える時にしびれる人が多いが、その「しびれ」の仕組みを京都大薬学研究科の金子周司教授らのチームが解明し、英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」誌の2016年3月17日号に発表した。

正座と同じ仕組みの「しびれ」が、糖尿病患者や抗がん剤を使用している人にも起こるため、治療に役立てたいという。

痛みに近い「しびれ」は、皮膚の近くにある神経のタンパク質「TRPA1」が関係していることは知られていたが、メカニズムがわからなかった。金子教授らは、マウスの後ろ足を糸で縛って血流を遮断、その後に糸をほどき、正座を終えた時と同じ状況を再現した。実験には、遺伝子操作で「TRPA1」を欠損させたマウスと通常のマウスを使った。「TRPA1」を欠損させたマウスは、糸をほどいて血流を流しても変化がなかった。しかし、通常のマウスでは「しびれ」を感じたことを確認した。

通常のマウスの体内を調べると、血流の遮断により低酸素状態になり、細胞内に活性酸素が生じた。糸をほどいて低酸素状態から回復すると、活性酸素の活動が活発化し「TRPA1」を刺激、「しびれ」を覚えることがわかった。

よく、正座でしびれないコツは、足で輪っかができるように組み、そのできた輪っかの中にお尻をすっぽり入れるような形で座るとよいといわれる。こうすれば重みが足に加わらず、血流が遮断しないからだ。今回の研究は先人の知恵にかなっているのである。