戦争が残した傷の痛みから、多くの中国人が日本人には野獣のような性格があると主張する一方で、訪日経験のある多くの中国人が日本人は実に礼儀正しい民族だと称賛する。中国メディアの澎湃新聞はこのほど、日本人にはこうした矛盾する特質が共存しているのは、日本人に「二重人格的な考え方」があるからだと論じている。(イメージ写真提供:123RF)

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 戦争が残した傷の痛みから、多くの中国人が日本人には野獣のような性格があると主張する一方で、訪日経験のある多くの中国人が日本人は実に礼儀正しい民族だと称賛する。中国メディアの澎湃新聞はこのほど、日本人にこうした矛盾する特質が共存しているのは、日本人に「二重人格的な考え方」があるからだと論じている。

 記事は中国人文学者の周作人が20世紀初頭に日本留学した際に感じた日本人の特徴について紹介。周作人は日本人が美を愛し、ものづくりが得意で清潔であると指摘。しかしその一方で中国人に対して非常に醜く稚拙な態度を示しているとし、なぜ矛盾するこの2つの特質が日本人に共存しているのか全くわからない、まさに奇跡だと感想を論じた。

 現代の事例として記事は、日本人は夜になると狂ったように羽目を外すが、次の日になると礼儀と秩序が社会に回復されるとも紹介。非常に多くの中国人が日本人の礼儀正しさに感銘を受けているだけに、そうした中国人が「羽目を外した日本人」を見る時に大きな矛盾を感じずにはいられないということだろう。

 記事は矛盾する特質が日本人に共存しているのは、「本音」と「建前」という日本語が表す日本人の二重人格的な考え方が原因であると分析している。日本人が自分とコミュニティとの関係を重視する民族であると指摘しつつ、そのために本音を押し殺して建前で行動する民族であると説明した。

 さらに日本人の道徳の基盤は「世間体」であると説明。西欧の場合、道徳の基盤はキリスト教による「罪の意識」であり、神の規準が道徳の基盤になるが、日本人の場合は「旅の恥はかき捨て」という慣用句が表すように世間体を気にする必要のない場所では道徳の基盤が消失し、奔放に振る舞うようになると主張した。

 記事が言わんとするのは、日本人の礼儀正しさは自分とコミュニティとの平和を保つための建前にすぎず、世間体という日本人の道徳基盤から生じているということだ。そして「罪の意識」のような道徳体系を持たないために残酷な戦争もいとわないという主張だ。

 世間体という日本人の道徳基盤では残酷な戦争にブレーキをかける力にはならないという主張のようだが、記事の論理に矛盾があるのは明らかだ。「罪の意識」を道徳基盤とする西欧諸国が過去に残酷な戦争を行ったのはなぜか。日本人が世間体を気にする必要のない旅行先でマナーの良い民族として知られているのはなぜか。記事の論理ではこうした疑問に答えることはできない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)