中国政府・外交部の華春瑩報道官は22日の定例記者会見で、「日本はまだ、(核関連の)敏感な材料物質を大量に溜めこんでいる」、「(日本が核武装するのではないかと)国際社会で疑惑を示す声が出ている」と述べた。(イメージ写真提供:CNSPHOTO)

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 中国政府・外交部の華春瑩報道官は22日の定例記者会見で、「日本はまだ、(核関連の)敏感な材料物質を大量に溜めこんでいる」、「(日本が核武装するのではないかと)国際社会で疑惑を示す声が出ている」と述べた。

 日本が米国に引き渡す高純度プルトニウム331キログラムを積んだ船が22日に出港したことを受け、会見に集まった記者の1人が、中国政府の考えを質問した。

 プルトニウムは日本が1970年代に欧米から、実験用として買い付けた。原子爆弾40発を製造できる量ともされている。2014年にオランダで開かられた核セキュリティーサミットで、日米両首脳がテロ対策を強化するとして米国に引き渡すことで合意した。中国は同問題が注目を集めてから、日本に核兵器製造の意思があるのではないかと、警戒の意を表明してきた。

 華報道官は質問に対して、「2年前のサミットで日本が了承したはずだった」、「日本側は早期に真剣に履行すべきだった」と日本を批判。さらに「日本はまだ、(核関連の)敏感な材料物質を大量に溜めこんでいる。分離されたプルトニウムと高濃度のウラニウムだ。これは明らかに国際社会が関心を持つ問題だ。日本が国際社会の関心に応える必要な措置をとることを希望する」と述べた。

 別の質問で、横畠裕介内閣法制局長官が18日の参院予算委員会で、核兵器の使用について「憲法上、禁止されているとは考えていない」と述べたことについての感想を求められると、「日本は核拡散防止条約の締結国だ。約束した義務は極めてはっきりしている。しかし日本国内では、核武装論が絶え間ない。国際社会は一貫して疑惑を持っている。今回の内閣高官の発言も、国際社会の疑惑をさらに深めるものだ。われわれは日本政府に対して、立場を全面的に説明するよう求める」と述べた。

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◆解説◆
 日本が核兵器にも使うことができる高濃度のプルトニウムを大量に保有しているとの問題が表面化したのは、2014年2月だった。中国は即座に反応した。華報道官は定例記者会見で、「日本が『兵器級核物質』の返還について、関連国に説明することを希望する」と発言。

 中国国際問題研究所の曲星所長は「もしも日本が(プルトニウム問題で)合理的な説明をしなければ、国際社会は日本が核物質を持つ真の目的を懸念せねばならない。日本が兵器級の材料物質を保有することは、国際的な核不拡散の体系を破壊するかもしれない。これは、東アジアと世界にとっては深刻な脅威だ」と述べた。

 中国政府がどの程度まで、日本の核武装を本気で懸念しているかどうかは不明だ。中国が軍拡を続け、南シナ海や東シナ海の領土問題で、強引な行動をすることに警戒や反発が強まっていることに対応し、矛先をそらすことが最大の目的と考えてよいだろう。

 なお、中国は自国の核保有について「核拡散防止条約で保有が認められているのだから、全く問題ない」との立場だ。また、中国が北朝鮮の核実験に強く反対している大きな理由のひとつは、同条約で認められた核兵器の「寡占」の体制がなし崩しになることを防止することだ。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:CNSPHOTO)