待望されていたアルト・ワークスはアルト・ターボRSをベースに、5MTの設定や専用チューニングされたシングルクラッチのAGS(オートギヤシフト)、最大トルクの向上、レカロシートの装備、専用セッティングされた足まわりなど、ワークス専用チューニングが数多く施されています。

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1速から4速をクロスレシオ化した5MTは、2速にダブルコーンシンクロを採用し、操作荷重を専用設計してダイレクトかつ節度感のあるシフトフィールが実現されているほか、クラッチディスクの荷重特性の最適化など、クラッチミートの操作感まで追求されています。なお、アルト・ワークスの変速比はファイナルが4.705で、こちらはアルト・ターボRSと同じで、標準車は4.388となっています。

2ペダルのAGSは、トルコン付ATやCVTからの乗り替えだと違和感を抱く可能性が高いですが「シングルクラッチとしては」完成度は高く、ターボRS用よりもスポーティな変速マッピングとされているほか、シフトレスポンスを重視した変速チューニングにより変速時間を最大10%短縮しているそうです。

ワークスのAGS車には試乗する機会はありませんでしたが、パドルシフトも備わりますし、AT限定車でも同車のスポーティな走りが楽しめるのは間違いないでしょう。

改良型R06Aターボエンジンは、冷却性能の向上により2Nmトルクアップが図られています。さらに、アクセルレスポンスの向上やターボ過給圧の高さに応じて、メーター内のインジケーターが白から赤に変化するなどの装備も用意。

引き締まった乗り味と正確なハンドリングもワークスの魅力ですが、足まわりでは、フロントストラットの減衰力最適化によりロールスピードの低減、ダンピングの向上が図られています。

リヤもダンパーの減衰力最適化で、ロールスピードの低減、ダンピングの向上が意図されているほか、ホイールのリム幅拡大(ターボRSの15×4.5Jから15×5J)により応答性の向上、EPSコントローラーの制御マップ最適化により、ダイレクトな操舵フィールが追求されています。

ダンパーはKYB製が採用されているほか、15インチの専用アルミホイールはENKEI製などスポーティなハンドリング、見た目も強化されています。

外観ではカーボン調フロントバンパーアッパーガーニッシュ、ボディサイドデカール、専用リヤエンブレムなどを専用装備。

内装では、本革巻ステアリング(レッドステッチ&ディンプル加工)、エアコンサイドルーバーリング(サテンメッキ調)、レッドステッチのシフトブーツ、ステンレス製ペダルプレート、そしてレカロ製フロントシートが用意されています。

ひとつ気になるのは、MTの比率が高そうなアルト・ワークスですが、燃費(2WD)は5MTが23.0km/L。AGSは23.6km/LとAGSの方が若干良くなっています。アイドリングストップの有無(MTは未設定で、AGSに標準)という点が大きいのでしょうが、MTもAGSも価格は同じ。

さらに5MTは、レーダーブレーキサポートや誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナル、ヒルホールドコントロール、エコクール、シフトインジケーター、フットレストなどが未設定となっていますので、価格面で少し差が付いても(AGSよりも安く)いいような気がします。

(文/写真 塚田勝弘)

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