東京・渋谷にある街頭広告スクリーンで先日、湖北省武漢市にある武漢大学のサクラをPRする動画が放映された。中国国内のネット上では賛同の意見も見られたようだが、同大学の歴史を研究する専門家は「世界に対する恥さらし」と激怒している。荊楚網が19日報じた。(イメージ写真提供:123RF) 

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 東京・渋谷にある街頭広告スクリーンで先日、湖北省武漢市にある武漢大学のサクラをPRする動画が放映された。中国国内のネット上では賛同の意見も見られたようだが、同大学の歴史を研究する専門家は「世界に対する恥さらし」と激怒している。荊楚網が19日報じた。

 記事は、武漢大学の校史を研究する専門家・呉驍氏が、同市のある企業が日本で「世界のサクラの郷である武漢に来てサクラを鑑賞してください」との広告動画を放映したことについて、「低レベルのミスと重大な事実誤認による荒唐無稽で笑うべきもの」との批判を展開したことを紹介。

 呉氏は、野生のサクラは人類誕生以前に今の朝鮮半島や日本列島に拡散しており、「どの国が起源」と論じるのは野暮であること、現代的な「栽培用サクラ」は日本に源があるというのは明らかかつ基本的な事実であること、さらに武漢のサクラが「世界三大サクラの都」と称されていることを挙げている。そのうえで、「都」ではなく「故郷」を意味する「郷」という言葉を用いた広告に対し、「小学校の国語でも落第ものだ」と痛烈に批判した。

 また、同大学にあるサクラの一部は戦後日本から贈られたものなども存在するが、実際に植わっているサクラの大部分は1939年に旧日本軍が植樹したものの「末裔」であると説明。もともと「日本軍による中国侵略のシンボル」だったものを取り上げて「サクラの郷」などと称して誉めそやし、さらに日本人に観に来るよう呼びかけるなど「世界にこれほど荒唐無稽なことがあろうか」と調子を荒らげて批判を繰り広げた。

 呉氏の批判は、同市や同大学が持つ歴史への理解不足に対してぶつけられたものと言える。同時に、サクラの起源がどこにあるかという論争が不毛で意味を持たないものであるということも訴えているようだ。広告動画を東京の繁華街で放映することを決めた「武漢市のある企業」の関係者は、一体何のために巨額な広告料を支払ってまで動画を流そうとしたのだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)