江戸の2大浮世絵師!渋谷で「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」展

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人気スターや流行のファッション、話題のお芝居…「浮世絵」は、そんな最新の情報が詰まった江戸時代のメディアだったことが分かる展覧会をご紹介。ちょっとポップな現代風の解説付きだから、当時の人々のワクワク感が伝わってくるかも。

2016年3月19日(土)から6月5日(日)まで、渋谷の「Bunkamura(文化村)ザ・ミュージアム」では、江戸時代に絶大な人気を誇った浮世絵師、歌川国芳と歌川国貞の作品を展示する「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」を開催。

今回、国芳と国貞を取り上げたのは、兄弟弟子でありながら対照的な作風で人気だった2人の作品を通して、江戸のリアルな暮らしを追体験してもらうためだとか。作品は、世界有数の日本美術コレクションを持つアメリカのボストン美術館のもので、国芳と国貞の浮世絵は1万4000点以上を所有しているそう。今回は、その中から選りすぐりの名品170件約350枚をピックアップ。

「1876年のボストン美術館開館以来、初の大規模な国芳・国貞展となります。ボストン美術館の規定で原画の状態維持のため、一度貸し出した作品は5年間は世界のどこでも公開しません。この機会にぜひ足を運んで、原画をお楽しみください」と、広報担当者さん。

浮世絵が江戸時代のポップカルチャーだったことに注目して、「髑髏彫物伊達男(スカル&タトゥー・クールガイ)」や「今様江戸女子姿(エドガールズ・コレクション)」など、展示コーナーが現代風のネーミングになっているのもポイント。
武者絵が得意で、ヒーローが活躍する物語の世界を斬新なアイディアで描く国芳は、江戸の男子たちを夢中にした絵師だったとか。

例えば、「物怪退治英雄譚(モンスターハンター&ヒーロー)」と題されたコーナーで展示される、「相馬の古内裏に将門の姫君瀧夜叉(たきやしゃ)妖術を以て味方を集むる大宅太郎光国(おおやのたろうみつくに)妖怪を試さんと爰(ここ)に来り竟(つい)に是を亡ぼす」という長い作品名を持つ作品は、「善知烏安方忠義伝(うとうやすかたちゅうぎでん)」という江戸時代の英雄物語の一場面を表現している。

原作では等身大のガイコツが現われるところを、巨大な化け物として描くことで、ダイナミックさが際立っている。このほかにも国芳作品では、いなせなスカル模様の衣装を着た伊達男や、荒れ狂う大海原を描いた一大スペクタクルの場面など、江戸っ子男子の心をわしづかみにしたインパクトのある浮世絵が並ぶ。


一方の国貞は、歌舞伎役者の似顔絵や美人画、流行を描いた風俗画が、江戸っ子女子のハートに響いたそう。「楽屋裏素顔夢想(オフステージ)」というコーナーで鑑賞できる写真の作品「踊形容楽屋之図 踊形容新開入之図」は、歌舞伎の舞台裏で素顔を見せる役者たちの様子を描いている。

国貞の作品に登場する人物は、着物の柄や身に着けている道具などが細かく描かれているため、当時の女子はまるでファッションカタログを見るように、浮世絵の情報を楽しんでいたという。そう考えると、江戸の女性がぐっと身近に感じられる。


また、今回の展覧会開催に合わせて、江戸の情緒を取り入れたタイアップメニューも登場する。会場となるBunkamuraの地下1階・1階にあるカフェ「ドゥ・マゴ・パリ」では、2つのメニューを用意。ひとつは、抹茶のジェノワーズとムースに甘酸っぱいフランボワーズのマカロンを添えた「抹茶ケーキ 〜フランボワーズマカロン添え(コーヒーまたは紅茶付)」(1200円)。

もうひとつは、江戸の庶民に親しまれていたアナゴとフレンチの食材・フォアグラをテリーヌ仕立てにした、「穴子とフォアグラのテリーヌ 〜ドゥマゴ風(ランチタイムにはパン、コーヒー付)」(2000円)。こちらは展覧会の半券提示で200円の割引も。

このほかにも、1階の「ロビーラウンジ」では、わらび餅やきなこ団子などの和スイーツをイチゴのスープとともにいただく、和洋コラボのスイーツ「和スイーツプレート〜イチゴのスープ仕立てとともに」(1000円)が。これも半券提示で100円の割引が。

現代の江戸風味グルメを味わったら、個性豊かな浮世絵の名作がさらに身近に感じられるかも。

画像 上:歌川国芳「相馬の古内裏に将門の姫君瀧夜叉妖術を以て味方を集むる大宅太郎光国妖怪を試さんと爰に来り竟に是を亡ぼす」弘化元(1844)年頃 
William Sturgis Bigelow Collection, 11.30468-70
Photograph(C)2016 Museum of Fine Arts, Boston
画像 下:歌川国貞「踊形容楽屋之図 踊形容新開入之図」安政 3(1856)年 大判錦絵六枚続
William Sturgis Bigelow Collection, 11.28578-80 & 11.28581-3
Photograph(C)2016 Museum of Fine Arts, Boston