日経平均株価チャート(日足・6カ月)*チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

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 日経平均株価は2月12日の1万4865.77円をボトムに、3月14日の1万7291.35円でピークアウトして調整中。3月18日終値は、1万6724.81円です。一方、3月21日のNYダウは7日続伸し、前週末比21.57ドル高の1万7623.87ドルと、2015年12月29日以来の高値でした。ちなみに、日経平均株価の2015年12月29日の終値は1万8982.23円です。このように、日経平均株価はNYダウに対して大幅に出遅れています。

 日経平均株価が出遅れている主因は、対ドルでの円高です。2015年12月29日のドル/円相場は1ドル=120円40銭、対して、3月18日のそれは111円54銭です。この円高が是正されない限り、日経平均株価はNYダウを、「追いつけ追い越せ」とはならないでしょう。逆に、是正する動きになるようなら、日経平均株価は力強い上昇を演じる見通しです。

 足元の日経平均株価ですが、テクニカル的には、25日移動平均線(3月18日現在1万6497.32円)が強力なサポートとして意識される一方、13週移動平均線(同1万7056.22円)が強力な抵抗として機能しているようです。13週移動平均線を上抜ければ、最大で26週移動平均線(同1万8012.44円)付近までの戻りが期待できると見ています。ただし、その前の節目としては、3月14日の1万7291.35円、心理的節目の1万7500円、さらには2月1日の1万7905.37円なども意識されそうです。

FOMCでは予想通り追加利上げを見送ったが、
ドル/円相場は意外な方向に値動き

 ところで、3月16日に、FRBがFOMCで金融政策の現状維持を決め、追加利上げを見送った直後のドル/円相場の動きは予想外でした。

 記者会見したイエレン議長は、「海外経済と金融市場には引き続きリスクがある」と述べ、年内の利上げペースについては、当初想定した4回から2回にとどまる可能性を示唆しました。FOMCの決定や議長の発言は市場の期待通りであり、ほぼ想定の範囲内だったのです。私は、そのような内容・発言なら投資家がリスクオンになり、株が買われ、為替市場では安全通貨の「日本円」が売られると見ていました。

 しかし実際は、米国株は上昇したものの、金利引き上げペースの鈍化が嫌気され、ドルが対主要通貨で全面安となり、3月17日に一時1ドル=110円66銭、3月18日に110円82銭を付けるなど、急激な円高が進みました。そして、これを嫌気する格好で、前週の日経平均株価は4日続落と軟調推移を余儀なくされました。

 ですが、足元で、円高の勢いも一服しています。これは今週の日経平均株価にとっては、ポジティブ要因です。

1バレル=40ドル付近で堅調に値動きする原油が、
足元の日経平均株価には追い風に

 また、1月20日には1バレル=26.19ドルまで下落したWTI原油先物は、世界の主要産油国の生産調整期待を背景に、現在40ドル付近で堅調に推移しています。このため、産油国の政府系ファンドが歳入不足を補うための、株式等の資産圧縮圧力は、以前に比べて低下していると見られます。

 これも、世界的に投資家がリスクオンになり得る材料だけに、足元の日経平均株価には追い風といえるでしょう。

消費税増税先送りが決まれば強力な追い風に
安倍首相の狙いは「増税延期・衆参同日選」か

 なお、日経平均株価にとってなによりも追い風になりそうなのが、消費増税先送り期待の高まりです。

 安倍首相は従来から、2017年4月の再増税については「リーマンショック級の大きな出来事がない限り行う」と明言していました。しかし、ここにきて、外国の有識者の意見を聞くという、まさに外圧を利用する格好で、消費増税先送りを決断する可能性が高まっています。

 まず、3月16日の「国際金融経済分析会合」の初会合で、米コロンビア大のジョセフ・スティグリッツ教授は、世界経済が減速する中での引き上げは「タイミングでない」と述べ、先送りすべきだとの考えを示しました。そして、同会合の第3回が本日22日に開かれ、ノーベル経済学賞受賞者であり、かねてから日本の消費税増税に反対してきたポール・クルーグマン米プリンストン大名誉教授が会合に出席します。

 このような状況下、「首相は、消費増税について、景気の足踏み状態が続いた場合には先送りする方向で検討を始め、5月26〜27日の伊勢志摩サミット前後に最終判断する」と、一部で報じられています。また、増税を先送りする場合、衆院を解散し、7月10日投開票の日程で「衆参同日選」に踏み切ることも視野に入れているとも伝わっています。

 日銀がマイナス金利を導入し、景気・経済を一生懸命支えているのに、杓子定規に消費増税を行い、景気・経済のブレーキを踏むという愚を犯さない方向に政治が向かいつつある点はポジティブ材料です。財務省の抵抗など、まだまだ予断は許せませんが、各種報道をみる限り、日を追うごとに、増税延期・衆参同日選」の実現確度は高まると見ています。

 そうなれば、日経平均株価の上げ余地は一段と拡大するでしょう。

短期的には底入れをしたが、中期的には下降トレンドは継続中
3本の移動平均線を見ながら慎重なトレードを

 ただし、3月18日の日経平均株価は1万6724.81円と、13週移動平均線(18日現在1万7056.22円)、26週移動平均線(同1万8012.44円)、そして、52週移動平均線(同1万8920.91円)の全てを下回っています。また、これら3本の移動平均線は全て下降中です。

 つまり、短期的な底入れを2月12日に果たしたとはいえ、中期的な下落トレンドが継続していることは忘れてはなりません。この中期下落トレンドが終了するとの最初のサインは、終値で13週移動平均線を安定的に超えることです。そして、13週移動平均線自体が安定して上向くようなら、上昇トレンド回帰の確度がさらに高まるでしょう。

 中期下落トレンドが発生中は、あなたは相場全体の下値の脆さを常に意識しながら、トレードするべきです。この期間は、「株は長く持っていれば上がり、資産は増える」という考えは捨てましょう。

「いつ再び、底値模索となるかもしればいから、短期的なテクニカル指標に十分配慮しながら、慎重に売り買いしよう、リスク管理を徹底しよう」というスタンスで相場に臨むべきです。

 なお、「株は長く持っていれば上がり、資産は増える」時期というのは、日経平均株価が、13週移動平均線、26週移動平均線、そして、52週移動平均線の全てを上回り、且つ、これら3本が全て上向きの時だけだと考えておきましょう。