求められる役割を表現するために、自分はなにをすべきか、常に頭の中で考えているという原口。トップ下に新たな風を吹かすことができるか。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 代表に合流する直前のリーグ戦(3月19日/27節・インゴルシュタット戦)で、原口は1ゴール・1アシストの活躍で、ブンデスリーガ公式サイトのマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。「コンディションは良いし、調子も良い」と断言する一方で、「(クラブと代表は)まったく別物。ブンデスのことは、今は頭にない」と気持ちの切り替えは済んでいると話す。
 
 今回の3月シリーズ(24日アフガニスタン戦/29日シリア戦)において、原口は注目選手のひとりである。メンバー発表の際、ハリルホジッチ監督が「ゲンキは真ん中でもプレーできる」とトップ下での起用を示唆しているからだ。現時点でトップ下のファーストチョイスであろう香川がクラブで出場機会が減っており、「(香川は)A代表でも先発かは分からない」と競争を促していることからも、ミックスゾーンではトップ下に関する質問が集中した。しかし、当の原口本人は至って冷静だ。
 
「求められていることは多いけど、監督の言うポジションで、役割をこなすのが第一。サッカーはひとりでやるわけじゃないですから。11人で同じような絵を描きたいし、今やっているのはそういうサッカー。自分の良さは二の次で、どれだけ(チームが)スムーズにいくかを考えています」
 
 もっとも、それらを試合で体現するには、まだまだイメージの整理が必要だと原口は明かす。ハリルホジッチ体制下ではウイング、トップ下、ボランチ、右SBと様々なポジションでプレーしてきた。試合によって異なる役割に対し、どうすれば上手くできるか、常に頭で考えているという。
 
「なにも考えずに、パッと出てプレーしても上手くいかない。今日の練習の感じだとまだまだ不十分だと思います。求められていることはたくさんあるけど、どんな役割でもこなしたいし、それを表現できるように準備するだけ。明日の練習やミーティングで、もっと良いイメージをみんなで作っていきたいですね」
 
 まずはチームのために――。そういった割り切りや、アジャストも競争で生き残るためには必要だろう。だが、彼とてただ“求められたことをやる”だけでは満足できない。自分のエッセンスをどう織り交ぜていくかも自分なりに考えているようだ。
 
「求められていることと、自分の良さのバランスを上手く取りたい。言葉よりもピッチで表現したいと思います」
 
 そう語る原口がどういった形で進化した姿を見せてくれるのか、あるいは香川や清武らが揃うトップ下に新しい風を吹かせることはできるのか? この3月シリーズ、原口にブレイクの予感が漂っている。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)