アフガ二スタン戦2日前の22日に合流した香川。同日の練習は別メニューだった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 3月17日のメンバー発表の席で、ハリルホジッチ監督は「シンジにスタメンの座は約束されていない」というニュアンスの発言をした。

 確かに、今年に入ってから先発回数を減らしているドルトムントでは、そこまで目立った活躍がない。加えて、今回の代表活動に合流したのはアフガニスタン戦2日前の22日。同日の代表練習で本田、川島とともに別メニューだったことから、おそらく24日のアフガニスタン戦はベンチスタートになるだろう。

 しかしだからといって、ここまでハリルホジッチ政権下で主力として扱われてきた香川の立ち位置が、アフガニスタン戦後にいきなり揺らぐはずはない。

 つまり、アフガニスタン戦でトップ下を任されるだろう原口もしくは清武がたとえハイパフォーマンスを見せたとしても、「格下のアフガニスタンだから」というエクスキューズが付くだけに、トップ下の序列がそれで変わることはないというわけだ。

 少なくとも、現時点で香川はトップ下の一番手。おそらくワールドカップ・アジア2次予選のグループEで1位の座を懸けて戦うシリア戦(3月29日)で、香川はスタメンを張るはずだ。

 もし香川の立場が揺らぎ始めるとしたら、そのシリア戦で彼が結果を出せなかった時ではないのか。その意味では、今回の代表活動は香川にとってひとつのターニングポイントになるかもしれないが、トップ下の争いについて本人は冷静に捉えていた。

「代表には常に争いがある。良い選手が試合に出る場所。実績とかは特に関係ない。自分も、そこで結果を出すことだけを考えている。それは日本代表だけではなく、どこにでも競争はある。それに打ち勝っていけるようにしたい」

 そのコメントを聞くかぎり、香川自身に焦りはない。ドルトムントで“酷使”されていないからだろう。コンディションにも問題はない。

「移動の疲れもそこまでないですし、コンディション的にはまるで問題ない。(今日の練習前に監督とピッチで話した時には)『コンディションを見ないといけない』と言われましたが、試合に出る準備をするだけです。あとは監督が決めることなので」

 香川は、ハリルホジッチ監督から「大きなものを期待されている」と言った。それはピッチでのパフォーマンスだけではない。

「これまでの経験や、今までやってきたものを代表に還元してほしいと言われています。もちろん、責任は感じています。サッカーに対する姿勢やオフ・ザ・ピッチでの振る舞い、そういう部分でもっとチームにもたらせることはできる。チームの前に立ってやりたい」
 
 だが、一方で「足りないものがある」とも、指揮官には指摘されている。

「自分に足りないもの。それは僕も感じているので、代表でなにをもたらせるか、ピッチの中でも外でもそういうところをもっと考えながらやっていきたい。ピッチでは攻撃の最後のところ、ゴールであったり、ゴールにつながるプレーですかね。そこにこだわりたい」

 今、ドルトムントでは「凄く良い経験をしている」。「高いレベルのなかで、自分自身を証明していけるように努力してやっていきたい」とも述べた香川は、自身の存在価値を見せつけるために今回の2連戦に臨む。

「大きな自信は持っている。結果で証明するだけです」

 果たして、有言実行なるか。3月シリーズは“香川の決意”が問われる戦いとも言えるだろう。

「先のことを想像するのは難しい。でも、大事な1年になる。ワールドカップの本大会まであと2年と、時間がない。この2試合をまずはしっかりと勝って次に進みたい」

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)