太り過ぎは損ですよ(写真はイメージです)

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背の低い男性と太り過ぎの女性は、それだけの理由で年収が低くなることが英国の約12万人を対象にした大規模な調査で明らかになった。

英エクセター大学の研究チームが、英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」の2016年3月8日号に発表した。

平均より7センチ低く、6キロ重いと年収24万円の差

欧米では、「美人は年収が高い」とか「背の高い男は出世する」といった見た目が経済的収入や社会的地位に影響を与える研究が盛んだ。こうした研究は必ずしも全部が面白半分で調査しているわけではなく、多民族社会の差別や偏見を調査する目的の場合もある。今回の調査もその1つだ。

研究チームは、「背の低さ」と「太り過ぎ」が経済的収入に及ぼす影響について、遺伝子情報を登録した英国バイオバンクの40〜70歳の男女約12万人のデータを対象に調べた。生まれつきの背の低さに関係する遺伝子変異は396種類、また太り過ぎに関係する遺伝子変異は69種類あるという。約12万人のうち背の低い遺伝子変異を持つ人は12.3%の約1万4800人、太り過ぎの遺伝子変異を持つ人は1.5%の約1800人だった。

そして、これらの人々を対象に身長・体重、年収、学歴、仕事の内容、職場での地位を調査した。ところでなぜ、調査対象者を選ぶのにこんな面倒なことをしたのか。同大学のティム・フライイング教授はこう説明する。

「背の低さや太り過ぎが、最初から貧しさの影響を受けている場合があるからです。栄養状態が悪くて背が低かったり、教育程度が低くて太り過ぎたりする人がいます。彼らは生活環境が悪いために低収入である可能性があります。そこで、背の低さや太り過ぎが、社会からどう見られるかを平等な条件のもとで比較するために、遺伝的な要素から対象者を選びました」

結果は明白だった。背の低さや太り過ぎが与える影響は、男女差が非常に大きかった。背の低い男性ほど年収が低くなり、平均身長より7.5センチ低いと年収が約24万円減った。また、体重が重い女性ほど年収が低くなり、平均体重より6.3キロ重いと年収が約24万円減った。

今回の結果について、フライイング教授はこう語っている。

「一般的に、背の低い男性や太り過ぎの女性は収入が低いものです。大部分の人はそのことを知りながら、彼らの貧しさや人生で挑戦する機会が少ないことによる間接的な影響と思い込んできました。しかし、見た目が人生に影響を及ぼすというはっきりした証拠が得られました。これはある種の差別です。雇用者の偏見や、私たち自身の体に対するイメージの歪みを直視すべきです」