中国国内のネット上では「日本のホテルは清潔で、心地よいサービスを提供してくれる」という評判が目立つ。これから日本を訪れようとする中国の人々の多くもそのようなイメージや期待を抱いてやって来るに違いない。それだけに、ホコリだらけの場所に宿泊させられた時の落胆と怒りは大きくなるのだろう。

 広東省深セン市の地方紙・宝安日報は19日、同市に住む女性があるネット予約サイトで申し込んだ日本のホテルに実際宿泊したところ、ベッドや机など至るところにホコリや汚れが付着しており、サイトに返金を申し込んだところ拒否されるトラブルに巻き込まれたと報じた。

 記事は、昨年7月にこの女性が某サイトを通じて東京にあるホテルに5泊の予約を入れたと紹介。そのホテルは、サイトと提携していると思われる旅行会社の担当者が「おすすめ」したビジネスホテルで、女性はホテルのサイトで部屋の写真を確認したうえで予約を決め、事前に宿泊料金を支払ったという。しかし、実際にチェックインしてみると、部屋の衛生状況が極めて悪い状態だった。その晩は仕方なく宿泊したものの、2泊目以降はキャンセルし、帰国後に予約サイトに対してクレームを出した。

 その際に返金を要求したが、サイト側はこれを拒否。そこで女性は現地の消費者権益保護委員会に訴え、同委員会が連絡をとったもののサイト側は頑なに拒否。結局旅行会社が同委員会からの説明を受け、キャンセルした分の宿泊代を返金したとのことである。

 責任がサイトにあるのか、旅行会社にあるのかは分からない。そして、問題となったホテルが本当に「ホテル」なのかもこの記事だけでは分からない。どの程度のホコリや汚れだったかも不明である。しかし、だからといって日本の東京で「ホコリや汚れだらけ」という部屋に宿泊する羽目になった、というクレームを看過してはいけない。東京をはじめ、日本にだって、そんな衛生環境がイマイチなホテルはあるさ、と開き直ることもできる。ただし、その瞬間に「日本のホテルは清潔で……」という話は「日本のお薬はすごくよく効く」と同じように「神話」と化すことになる。

 日本のサービスや品質に対する種々の賞賛は素直に喜ぶべきものではある。しかしその一方で、それは「日本に行けば必ずそういったものに触れられるはずだ」というハードルとしての意味合いも持っているのだ。そのプレッシャーを感じなければ、今後より多くの中国人観光客から「大したことなかった」、「がっかり」との声が出てくるはずである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)