中国で「匠の精神」が話題になっている。中国人旅行客が日本で爆買いするのは日本製品の品質が高いためであり、その品質の高さの源泉は日本人に「匠の精神」があるためだという論調だ。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国で「匠の精神」が話題になっている。中国人旅行客が日本で爆買いするのは日本製品の品質が高いためであり、その品質の高さの源泉は日本人に「匠の精神」があるためだという論調だ。

 中国メディアの南方日報はこのほど、日本製の爪切りからも「匠の精神」を肌で感じたと伝え、日本製の爪切りに感じた匠の精神を中国の製造業に活かす方法について論じている。

 記事は日本で購入したという1100円(約63元)の爪切りのエピソードを紹介。形の面白さが気に入って購入したそうだが、中国では普通、爪切りはわずか数元(数十円)で購入できるものだ。日本の爪切りは形が面白かったものの、なぜこれほど高額なのかと不思議に思ってインターネットで調べてみると、この爪切りに対する中国ネットユーザーの評判が良いことに気づいたと記事は説明している。

 日本で購入した爪切りを実際に使用してみると、普段使用している中国製の爪切りと比べて切れ味が鋭く、軽い力で爪を切ることができたと説明。例えば足の爪を切って試したところ、中国製は力を入れないと切れず、また切った爪も飛び散るのに対し、日本製は切りにくい足の爪でもストレスなく切ることができ、飛散することも少なかったと紹介。この体験は「感動を書き留めるよう心を動かされた初めての経験だった」と伝えている。

 また記事はこの爪切りが中国の大手ネット通販サイトで120元(約2073円)で販売されており、しかも日本から品物を郵送する場合はさらに95元(約1641円)の送料がかかるにもかかわらず、多くの中国人が購入していたと紹介。この爪切りに対する使用体験を閲覧したが、ユーザーの評価も高かったと紹介した。

 こうした体験や観察を紹介しつつ、記事が強調しているのは匠の精神を持って造られた製品は消費者に素晴らしい体験を与えることができるという事実、そしてそうした製品は高くても売れるという事実だ。さらに重要な点として、中国人に感動をもたらしたのはハイテク製品や生活の質を一変させるような製品ではなく、爪切りという「ごくありふれた製品」だったことを挙げることができよう。

 記事は中国企業が匠の精神を身に着けるためには相当大きな努力を払う必要があり、しかもそうしたからといって企業の生存が100%の確率で保証されるわけではないと説明。それでも企業が生き続けるためには匠の精神を身に着けることは必須だと論じている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)