ひとりで悩まないで

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年齢とともに生じる体の悩みに、尿漏れがある。女性の問題ととらえられがちだが、実は男性にとっても深刻だ。

働き盛りの男性がある日突然、軽い尿漏れを起こしたことに気づけば、ショックは大きいだろう。そんな夫を、妻はどう見ているだろうか。興味深い調査結果が発表された。

「年を取れば仕方ない」「早めに相談して」と妻たち

中高年男性で尿漏れを経験している割合は、少なくない。生理用品・紙おむつメーカーのユニ・チャーム(東京・港区)が2013年3月、2万2150人を対象に実施した調査によると、50代以上の男性の3人に1人が経験している。初めて尿漏れした年齢は、40代と答えた人が約5割に上った。決して高齢者だけの問題ではないことが分かる。調査では、こうした男性が軽い尿漏れを「恥ずかしいもの」ととらえて、ひとりで悩むケースが多いとしている。

では女性は、男性の尿漏れをどうとらえているか。ユニ・チャームは別の調査結果を2016年2月19日付で発表した。回答したのは20〜69歳の既婚女性210人。夫の尿トラブルに対する意見が分かるものだ。

まず、男性の軽い尿漏れについては68.6%が、年を取れば仕方がないと答えた。ネガティブな印象は持っていなさそうだ。また30代の女性の4割強が、男性の軽い尿漏れは誰にでもあると感じているという。さらに夫が尿漏れで悩んでいたら、回答者のうち65%の妻が「自分に相談してほしい」と望んでいる。

一方で、夫が尿漏れによる下着のシミを隠す行為をしていたら、44.3%が「不衛生」、27.1%が「職場の同僚等に気づかれないか心配」と答え、もし夫が尿漏れをしていたら「早めのケアを心がけてほしい」が67.6%に上った。

職場では第一線でバリバリ働いている男性が尿漏れした事実に直面したら、つい隠したくなるかもしれない。だが調査からは、多くの妻が「決して迷惑に思っていないから、ひとりで悩まずに相談してほしい」と答えており、本人が早く対処するよう求めていることが分かる。

尿漏れ以外に頻尿や残尿感の原因となる前立腺肥大症

男性にとって、尿漏れを含む排尿障害の原因となるのが前立腺肥大症だ。膀胱(ぼうこう)の下にある前立腺が肥大して尿道を圧迫する。医療用医薬品事業を手掛ける旭化成ファーマのウェブサイトによると、前立腺肥大は30代から始まり、50歳で30%、60歳で60%、70歳で80%、80歳では90%に見られるという。年齢を重ねれば、ほぼ避けられないと言っていい。前立腺が肥大する原因は、はっきりとは分かっていない。ただ、肥満や高血圧、高血糖、脂質異常症との関係が指摘されているという。

主な症状は、頻尿や残尿感、急に尿意をもよおすうえに我慢できなくなる「尿意切迫感」、そして排尿後にもかかわらず少量の尿が漏れる「排尿後尿滴下」といったものだ。だが、2015年6月16日付の「ダイヤモンドオンライン」記事では、前立腺肥大症の悩みを抱えている男性のなかで、治療のために病院を訪れる人の数は極端に少ない現状を指摘している。「たいしたことはない」と軽視しているか、あるいは恥ずかしくて診察に行けないのか――。

だが放置しても症状がよくなることは決してない。逆に進行すれば、症状の悪化や合併症を引き起こす可能性もある。尿漏れを自覚したら、まずは現実を直視して身近にいる信頼できる家族に打ち明けてみてはいかがだろうか。