なでしこの灯を消さないためにも協会にはベストな選択を望みたいものだが…

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ひとつの時代が終わりを告げた。百戦錬磨のなでしこジャパンが、リオデジャネイロ五輪アジア最終予選でまさかの敗退に終わった。

今予選のなでしこは結果はもちろん、試合内容も振るわなかった。「身上だった、連動してのプレスやテンポのいいパス回しがほとんど見られず、凡ミスが目立った」とスポーツ紙記者のA氏は言う。

チームの柱だった澤穂希の引退、前回の活躍を期待する周囲の重圧など様々な敗因が指摘されるが、「原因はなんといっても、佐々木則夫監督と選手の関係のマンネリ化に尽きる」とサッカーライターのB氏は断言する。

一方で、選手たちのほうもまとまりに欠け、本当にチームファーストの意識を持っているのかと思わせる場面も目立った。サッカー専門誌編集者C氏が言う。

「象徴的なのが大儀見優季(フランクフルト)。中国戦後、『自分はこの試合に負けることが何を意味するのか理解していたが、全員の選手が理解していたわけではなかった』と仲間を批判するとは…。本人に直接伝えるとか、ミーティングで発言するとかでなく、まず報道陣に漏らすなんて、絶対にやってはいけないことです」

しかし、いくら批判をしてもリオ五輪予選敗退という事実は揺るがない。2020年の東京五輪に向け、やはり日本人としては、なでしこ復活を期待したい。佐々木監督が退任を表明し、宮間あや(岡山湯郷)らベテランの代表引退が取り沙汰される中、いかに変わるべきなのか?

まず重要なのは、新監督の選出だ。前出のB氏が現在の監督候補について語る。

「現U−20、U−23女子代表の高倉麻子監督が新指揮官となるのは協会内の既定路線だとされている。現役時代は日本屈指の選手だったし、監督として14年に女子U−17代表を世界一に導いているだけに実績上は申し分ない。ただ、フル代表であるなでしこを任せるのは時期尚早じゃないかな」

C氏もうなずく。

「U−17W杯を制覇できたのは、他国がこの年代では勝敗よりも個の成長に主眼を置いている中、日本だけがチーム戦術を徹底させたからで、当然といえば当然。しかもその戦術は佐々木監督の完コピをしているだけで、彼女自身の色というものは全くの未知数だ」

では、引退を表明している澤穂希はどうなのか?

「協会は、代表やベレーザで一緒にプレーした澤さんを女子委員会に入閣させて、高倉新監督を側面からサポートしてもらうプランを持っているようだね」(B氏)

しかし、本人は監督をやるつもりはないという。前出のA氏が証言する。

「澤さんは女子サッカー強化に関する明確なビジョンを持っているタイプではないし、本人も言っているように戦術的なことに関する深い知識もない。監督の話し相手にはなれても、サポート役としてはどうだろう。それに彼女は今後、フロントや現場で泥にまみれるより、もっと華やかな場所で自分の知名度を生かした仕事をしたいらしい」

女子サッカーの世界に有望な監督候補がいないのであれば、男子から選んでくるという手もある。

「佐々木監督時代以上のチームをつくるには、男子サッカーの世界で実績を残した指導者を連れてくるしかないのでは? そうした監督に高倉アシスタントコーチをつけ、彼女に帝王学を授けた上で、東京五輪後の指揮官を任せるのが一番いい流れでしょう」(C氏)

では、誰がなでしこ復活の大任を担えるのか?

「個人的には、男子の世界で五輪代表チームを率い、G大阪監督時代もJリーグやACLで結果を残している西野朗氏(現フリー)を推したい」(B氏)

「佐々木戦術をさらに進化させるという意味では、現在、山形で指揮を執っている石信弘監督も面白い。練習はハードだけど、あの“鬼プレス”を習得できれば、アメリカだって怖くない。性格的にも明るく誠実で、選手やファンの心をがっちりつかめるし。問題は山形との契約をどうするかだけど、協会は過去、千葉からオシムを強奪して男子代表監督に据えたことだってあるんだから、なんとかできるでしょ(笑)」(A氏)

いずれにせよ一刻も早く新体制をスタートさせ、捲土重来(けんどちょうらい)を期してほしい。