BtoCにもBtoBにも有効な「インタラクティブ動画」――そのメリットから具体的な実施方法、費用対効果までを徹底解説!

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インタラクティブ動画とは、右図のように動画にアクショナブルなレイヤーを重ねることで、1つのウェブページのように視聴者が動画上でクリックなどのアクションを起こせる動画のことです。
YouTubeのアノテーション機能はもっとも身近なインタラクティブ動画と言えますが、専用プラットフォームを使えば、入力フォーム、ストーリー分岐、購入(カート)ボタン、クイズ・質問、チャプタなどの幅広い要素を設置することができます。

このように動画にインタラクティブ性を持たせると、視聴者は動画をただ受動的に見るだけでなく、自分のニーズや気分に応じて動画のストーリーを選択したり、ゲームやクイズに参加したり、関連情報を参照したりと、よりリッチな動画体験をできることから、企業は動画へのエンゲージメントやCVRの向上が期待できます。用途もプロモーションからEC、リード獲得、営業ツール、研修・学習コンテンツまで、幅広い分野で活用できます。

実際、一方的に情報を発信するだけの従来の動画に比べ、インタラクティブ動画は完全視聴率やCTR、エンゲージメント率、視聴維持率が向上したとの報告も集まっています。

インタラクティブ動画の2つの大きなメリット

動画マーケティングを展開する企業にとってのインタラクティブ動画の価値をもう少し具体的に掘り下げてみましょう。そのメリットとしては主に、エンゲージメント向上と、視聴行動データの取得を挙げることができます。

1. 動画コンテンツへのエンゲージメントを高める

インタラクティブ動画では、視聴者ごとにパーソナライズする形で関連性の高いコンテンツを提供できるため、没入感を高めることができます。
例えば動画にチャプタ(章)やメニュー(目次)を設置し、視聴者が関心のあるコンテンツに直接アクセスできるようにしたり、分岐機能を用いて視聴者が動画のストーリー展開を自分で選択できるようにすることで、より長く動画が視聴される可能性が高まります。

あるいはBtoB分野では、特定のコンテンツを能動的に選ぶほど関心の高い見込み客に対し、分岐機能を活用して関連性の高い他のコンテンツやCTA、インセンティブなどを適切に提供することでコンバージョン獲得へと近づくでしょう。

2. 視聴行動に関する詳細なデータを取得できる

アナリティクス機能を用いれば、視聴者がコンテンツに対して、いつどのように反応しているかをトラッキングでき、コンテンツの内容や分岐、操作性などの改善につなげることが可能です。

また動画内にアンケートを設置し、その回答内容から見込み客のインサイトを把握することで、より確度の高い見込み顧客を選別できるほか、その詳細な情報を次の営業アクションに生かすこともできます。

インタラクティブ動画の企画制作方法

それでは次に、インタラクティブ動画の制作について解説していきます。

プラットフォームの選択

まずインタラクティブ動画を制作するには、無料のプラットフォームを使う方法と、有料のサービスを使う方法があります。それぞれのメリット・デメリットを簡単にまとめます。

YouTube、Dailymotionなどの無料プラットフォームを活用

世界最大のYouTubeはもちろんのこと、Dailymotionなどもインタラクティブ機能を備えています。おなじみのアノテーションを用いて「今すぐ登録」といったCTAを簡単に加えることができます。コストがかからず、すぐに始められることが最大のメリットです。ただし、無料であるがゆえに、その機能は限定的で、効果に関するデータ取得にも限界があります。

hapyak、RAPT MDEIA、interludeなどの有料プラットフォームを利用

各プロバイダーによるプラットフォームを利用すれば、多少のコストはかかりますが、無料プラットフォームよりも多くのインタラクティブ機能を実装することが可能になります。さらに、サービスによっては詳細な動画分析機能を備えているため、視聴行動データを元に動画クリエイティブのPDCAを回したり、分析データをCRMシステムなどに統合してその後の営業活動などに活用することができます。

インタラクティブ動画の企画制作から最適化まで

それでは具体的な制作ステップをご紹介しましょう。

初めてインタラクティブ動画を制作する場合は、既存の動画コンテンツを使うのが近道です。その動画の目的(リード獲得、エンゲージメント、特定の行動喚起、教育など)を再確認し、その目的達成をサポートするインタラクティブ機能やアノテーションを考えます。以下はその一例です。

そしてまずは部署内や社内に共有し、反応を見てみましょう。動画上で実際に見られた行動やさまざまなフィードバックから、アノテーションやボタンの位置、表示タイミング、デザインなどを調整し、最適化していきます。このように、動画コンテンツ自体を変更しなくてもインタラクティブ要素の精度を高めていくだけで、動画の目的達成に近づくことができるのも、インタラクティブ動画のメリットの1つです。

そしてこのように小さなステップからスタートし、次第に慣れてきたら、動画コンテンツの企画段階からインタラクティブ要素を盛り込むことを検討してみましょう。最終的にはさまざまな分岐やオプションを含めたより高度なインタラクティブ動画も設計できるようになるでしょう。

費用対効果が見えやすいこともメリット

上述のように視聴行動データを取得できることから、ROIが見やすいという点もインタラクティブ動画のもう1つの価値と言えます。具体的な例で見てみましょう。

例)リード獲得施策

このような施策に動画を用いる場合、動画を見た視聴者がどれだけコンバージョンしたかをより直接的に計測でき、ROIを算出しやすくなります。このケースでは動画内から直接コンバージョンできるため、機会損失が減り、ROIは向上するのではないでしょうか。

例)研修・学習コンテンツ

研修に動画を取り入れる企業も増えていますが、研修動画をインタラクティブにすることで、習得度が担保されるだけでなく、動画視聴後に改めて習得状況の確認を行うプロセスも必要なくなり、研修時間、研修コストの効率化を図れます。

意外とハードルの低いインタラクティブ動画

DEMAND METRIC社の調査によると、まだインタラクティブ動画を活用していない企業は、その理由として「予算がない」「専門スキルがない」を上位に挙げています(下左図)。しかし、すでに取り組んでいる企業が今後の課題として多く挙げているのは「制作時間」 や「得られたデータの活用」です(下右図)。つまり有料プラットフォームを使っても高い費用対効果を得られていることがうかがえます。そして時間やデータ活用の課題も経験を積むことで解決されていくと考えられます。

同調査では「もっとも効果の高い施策」として1位に選ばれているインタラクティブ動画。動画施策のROI向上を目指して、まずは積極的にトライしてみてはいかがでしょうか。