読者の皆さんの中には、株式投資や投資信託など、すでにお金を増やすために資産運用をしている方もいらっしゃるかもしれませんね。「投資」とは将来の利益のために、事業や証券にお金を投下することを言います。

 実は、保険にも将来の利益のために保険を証券と見立てて、積み立てをしていくものがあります。中でも、“貯蓄性のある保険”と“投資性の高い保険”というのが、将来のためにお金を増やすという意味合いが強いでしょう。今回は、“貯蓄性のある保険”と“投資性の高い保険”それぞれを紹介したいと思います。

【30歳からの保険講座】将来1000万円の価値は半分に!?投資性という観点での保険選び

■貯蓄性のある保険とは?

貯蓄性のある保険は大きく3つあります。

・終身保険
・養老保険
・個人年金保険

 まずは、これらの保険について説明します。

◎終身保険
現在一般的となっているのが「低解約返戻金型終身保険」。こちらは保険料の払込期間中に解約をしてしまうと元本割れになってしまいますが、その分一般の終身保険と比べて利率が高く設定されているため、保険料が割安になっています。また、払込期間後の解約であれば、返戻率が一気に上昇し、長い目でみると非常に貯蓄性が高い商品です。

◎養老保険
養老保険は期間中に亡くなったときの死亡保障金、また満期を迎えたときの満期金が同額であるという保険です。終身保険と違って、保障の期間が決まっているのが特徴となっています。昔のように利率が良くないため、保険期間が短い場合などは、満期金500万円を受け取るために、それ以上の保険料を支払わなければならないという場合もあります。

◎個人年金
毎月一定額の保険料を支払い、予め決めておいた年齢から一定期間決められた年金額を受け取れる保険です。途中解約でも元本割れのリスクが少なく、税控除の対象にもなるため、通常の預貯金よりも賢く将来必要なお金を積み立てていくことができます。

 3つの貯蓄性のある保険を説明してまいりましたが、共通することは予定利率(契約者に約束する利率)が決まっているということ。そのため、将来的に受け取れる金額は保険加入時にすでに決まっており、その金額は増えもしないし、減りもしないというのが特徴です。よく言えばとても安定しています。

 しかし、今後インフレがゆるやかに進んでいくと言われている中で、固定の利率であるが故、インフレリスクに対応していないのも特徴です。将来の1000万円の価値が、今の1000万円と同じという保障は全くありません。

 このように、貯蓄性は強いですが、自身の将来的な収益になるような投資性は比較的弱いのが特徴です。それでは、将来的なインフレなども見越した、本当の意味でご自身の収益となるような投資性の高い保険というものは、どのようなものがあるのでしょうか?

■投資性の高い保険とは?

投資性の高い保険には以下の3つの保険があります。

・利率変動型保険
・変額保険
・外貨建て保険

 それでは、これら3つの保険について説明します。

◎利率変動型保険
市場金利に合わせて、利率を見直していく保険です。こちらは最低の積み立て利率は保障しつつも、市場金利が上昇すれば、積み立てる利率も上昇していくという仕組みになっています。そのため、インフレにもしっかり対応していますし、最低保障があるためリスクも少なく運用できる保険です。

◎変額保険
変額保険とは、その保険独自のファンドで資産を運用し、その運用結果によって、死亡保障や解約返戻金の額が変わってきます。また、運用先のファンドも各社だいたい6つくらいを保有し、契約者が運用先を選べるのも特徴です。複数の運用先を選べばリスクも分散できます。考え方としては「投資信託」に死亡保障がついているようなイメージですね。

 運用先のファンドの一つである株式などは、インフレにも敏感に反応するため、将来のインフレリスクに対応することもできます。

◎外貨建て保険
外貨建て保険の中には、ドル・ユーロ・豪ドルなどがありますが、世界の基軸通貨であるドルが一般的です。ドル建ての保険は資金をアメリカで運用するため、アメリカの市場金利が保険の利率にも適用されます。日本の利率はだいたい1%台なのに対して、アメリカの利率というのは3%台です。利率が高いことで割引もされるため、死亡保障も安く持つことができます。

 例えば、30歳の男性が10万ドル(1ドル100円と見立てたときの1000万円)を死亡保障として持とうとしたときに、ドル建てなら500万円ほどで持つことができます。
※国内の一般的な終身保険だと700万円ほどかかります。

 しかし外貨建てならではのいわゆる“為替リスク”もあります。月々の保険料はドル換算になるため、為替の変動にともない、保険料も毎月変動します。また、解約時に円高が進んでしまうと受け取る金額は少なくなってしまいます。

 とはいえ、他の通貨と比べ為替の変動幅が小さく安定しており、利率も高く設定されているため、将来的に見ても安定的に増えていくと考えて良いでしょう。また、円高のときに一括で契約し、円安のときに解約すると資金はかなり増えますので、為替差益を得ることも可能です。インフレは日本の「円」に対して起こるため、日本でインフレになった場合、外貨の価値は上がります。そのため、インフレ対策としても外貨建て保険は有効です。

■結局どんな保険を選べばいいのか?

 日銀は2014年にインフレ目標2%を掲げました。インフレ2%が30年間続いた場合、1000万円の価値は半分近くの約500万円まで下がってしまいます。このような状況を見越したうえでの保険選びというのも非常に大切です。

「確実に保険金を受け取る」ということが目的であれば、冒頭で説明した低解約返戻金型終身保険などが良いですし、「インフレなども見越して、保険を投資として考える」ならば、利率変動型保険や変額保険、外貨建て保険などが良いかと思います。

 しかし、「投資」というだけあって、リスクもともなうことも覚えておかなければなりません。自分にとってどんな保険が良いのかわからなくなったら、第三者の保険アドバイザーに相談されることをお勧めいたします。それぞれの保険の仕組みや違いをわかりやすく説明してくれますし、特徴を理解された上で比較検討されることが一番です!

文/牧山真一(マキヤマ・シンイチ)

保険見直し本舗 テレマ事業本部 対面事業部 関東・九州エリアマネージャー。コンサルティングアドバイザーとして関東を中心に活動。「最適な保険選びのパートナー」として、これまで個人の保険相談から法人に至るまで数多くの保険見直し、保険相談に対応。