タブレット市場の起爆剤になるか!? 最新OS「Android N」実装検証
 iOSと違い、ユーザーのOSバージョンアップがなかなか進まないAndroid OS。3月に公開されたOSのバージョン別シェアによると、Android 5.0〜5.1(Lollipop)が、シェア36.1%で首位を獲得。続いて4.4(KitKat)が34.3%、4.1〜4.3(Jelly Bean)が22.3%。最新の6.0(Marshmallow)は2.3%と、ヴァージョンアップがスムーズに進んでいない状況だ。

 そんな中、GoogleはAndroid 7.0に当たる「Android N」のプレビュー版を早くも公開した。ただし、現状ではNexus 6/Nexus 9/Nexus 5X/Nexus 6P/Nexus Player/Pixel C/Android Oneに対応するのみ。Nexus 5やNexus 7は、今のところ非対応となっている。今回はNexus 9に実際にAndroid Nをインストールしてみたので、これを利用して新機能を紹介していく。

⇒【画像】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=87445

◆大型タブレットに嬉しいマルチタスク機能を実装

 iPadでは画面を分割して2つのアプリを同時に表示する「Split View」というマルチタスク機能が利用できる。Androidも6.0で同様の機能が搭載されているのだが、それはあくまで隠し機能としてであり、有効化するにはシステムを書き換える必要があった。

 一方、Android Nはマルチタスク機能を正式に採用。プレビュー版のAndroid Nにもすでに実装されており、2つのアプリを並べて同時に使える。

 Android Nのマルチタスク機能を利用するには、履歴ボタンを長押しして並べたいアプリを選択すればOKだ。ただし、マルチタスク機能はまだまだ不安定。アプリが頻繁にフリーズしたり、クラッシュしてしまう。Android Nが正式公開されても、各アプリがマルチタスクに対応するまでは快適に使えないかもしれない点には注意が必要だ。

⇒【画像】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=87446

◆設定画面が進化し、便利な通信節約機能も使えるように!

 設定画面を開くと、最上部に「候補」という項目が追加されているのに気がつく。ここに表示される設定がどのような条件で選ばれているのかは不明だが、ユーザーが利用すると考えられる基本的な設定が表示されるようだ。

 また、設定画面の左上にハンバーガーボタンが追加され、ここから設定項目を簡単に切り替えられるようになったのも特長。従来のAndroidでは毎回設定のトップまで戻って項目を切り替えていたが、Android Nではその手間がなくなる。

 このほか、モバイルデータ通信の通信量を抑える「Data Saver」という機能が追加されたのも重要だ。これを有効にするとバックグラウンドでの通信がWi-Fi接続時のみに制限される。モバイルデータ通信時はバックグラウンドで通信されないため、知らないうちに通信量が膨れあがってしまう心配がなくなる。

 なお、Data Saverを有効にしても通信を許可したアプリはバックグラウンドでの通信が可能。メールやメッセンジャーなどつねにチェックしたいアプリは通信を許可しておくと良さそうだ。

⇒【画像】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=87447

◆実験機能はまだまだたくさん! プレビュー版のお試しも簡単になった

 通知領域の設定アイコンを長押しすると、「システムUI調整ツール」という項目が設定画面に追加される。ここには今後正式に実装されるかもしれない実験機能が並んでいる。

 たとえば、「夜間モード」だ。これを有効にすると画面を赤っぽくしたり、ダークテーマにして夜間でも見やすい表示にしてくれる。このほかにも、ステータスバーに表示するアイコンのカスタマイズやマルチタスク機能の呼び出し方法の変更など、面白い設定がいくつかある。

 また、OTAでプレビュー版にアップデートできるようになったのもポイント。対応端末を所有しているなら「Android Beta Program」に登録するだけで通常のアップデートと同じようにAndroid Nを導入できる。気軽に最新Androidを試せるのは嬉しい変化だ。

 ただし、プレビュー版だけあって不具合は非常に多い。動作しないアプリも多いため実用的とはいえない。Android Beta Programを解除すれば元のAndroidに戻すことも可能だが、端末の初期化が必要となるので注意したい。

⇒【画像】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=87450

 以上がAndroid Nのおもな新機能だ。ここで紹介したもの以外にも通知の仕様変更や省電力機能「Doze」の強化など、細々とした変化はたくさんある。

 しかし、一番の注目はなんといってもマルチタスク機能だろう。スマホの大型化でタブレットは不要になったと考える人もいるが、スマホの画面サイズで多くのことを実行するのは、やはり厳しい。Android Nの登場で、タブレットが見直される日がやって来るかもしれない。<文・画像/中谷 仁>

【中谷 仁】
パソコンやスマートフォン、タブレットなどデジタル系雑誌・ムック本などを制作する編集プロダクション「株式会社ノーリ」の代表取締役。自ら編集・執筆をしており、年に数十冊の本の制作に携わっている。「Windows100%」や「iP!」、「Mr.PC」、「家電批評」、「ラジオライフ」など雑誌を中心に活躍中。