『あまくない砂糖の話』〜実験前と実験後!? (C) 2014 Madman Production Company Pty Ltd, Old Mates Productions Pty Ltd, Screen Australia ALL RIGHTS RESERVED

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砂糖の摂りすぎは本当に身体に悪いのか?この疑問に自らの身体をかけて挑みその過程をまとめ上げた話題の映画『あまくない砂糖の話』が3月19日から公開される。この映画は、自国製のドキュメンタリーとしてはオーストラリア史上最高の動員記録を達成している。

 俳優&監督のデイモン・ガモーは、恋人の妊娠で、生まれてくる子供を健康で元気に育てたいと考えていた。そんな中、オーストラリアではひとりで1日平均スプーン40杯分の砂糖を摂取しているという驚愕の事実を知る。それだけの砂糖を食べても本当に健康には影響がないのか?しかし砂糖をめぐる是非論はあまりにも多様でよく分からない。それならば自らが被験者になって砂糖を食べ続け、自分の身体にどんな影響が出るのか人体実験を敢行することに。

砂糖だけで体重も増加、生活習慣病へまっしぐら

 実験の設定はいたって簡単。^貽にティースプーン40杯分の砂糖(160g)を消費すること。▲愁侫肇疋螢鵐やアイスクリーム、チョコレートなどのお菓子の類は避ける。D禹號奪茵璽哀襯箸筌轡螢▲襪覆匹痢崋造郎重が多い食品」から摂る。どず「低脂肪」の食品を選ぶ。ゥ献腑ングや筋トレなどの運動習慣は続ける。これだけだ。

 つまりスーパーなどで売っている健康的な食品のみで、オーストラリア人の平均的な砂糖摂取量スプーン40杯分(約160g)を再現したのだ。そして、医師、栄養士、食の専門家などの専門スタッフをそろえ身体の変化をモニタリングした。ちなみにカロリーはオーストラリア成人男性の平均摂取量である1日2300カロリーを維持した。カロリーはガモーのそれまでの生活と変わらない。

 果たしてガモーの身体に何が起こったのか?
 
 結果だけを言ってしまえば体重が8.5キロ増加し、腹囲も10センチ増、肝機能が悪化し脂肪肝に、中性脂肪の値も1,5倍となっている。さらには2型糖尿病の初期症状と診断されるまでとなっている。実験開始から35日目ぐらいでは、気分的な落ち込みややる気が出ないなどの精神的な症状も現れている。にもかかわらず甘いものがまた食べたくなるという中毒症状を呈している。
 
 かつて話題となった映画『スーパーサイズ・ミー』は、1日に3回、30日間、マクドナルドのファストフードだけを食べ続けたらどうなるかを記録した映画だった。このトライアルの設定自体がすでに不健康であった。だが、この映画は、肥満が社会的な問題となっているオーストラリアでの一般的な食生活を再現したに過ぎないにもかかわらず予想以上の健康被害を浮き彫りにした。
 
 オーストラリア栄養士協会はこの映画に関し、ホームページで「砂糖は悪者ではないが、オーストラリアで砂糖を取り過ぎているのは事実。オーストラリア人は砂糖が多く含まれている食品の摂取は押さえるべき。その意味でこの映画は参考になる。」と言及。

 オーストラリアの心臓財団も「われわれは常に、健康的な食事生活を送る上で、砂糖含有量の高い食品を制限することを推奨している。果物やミルクの中に天然の糖が入っているということを認識してほしい」としている。
最も商品が売れる甘味料の犹衒‥性瓩箸呂覆砲?

 映画では、実験中に先住民族アボリジニのコミュニティを訪ねている。そこは自給自足生活が長く、砂糖の摂取量が極めて少ない地域だった。西洋の食文化が入り込み、かつてコカ・コーラ社が「世界一の売り上げ伸び率」であると発表された場所でもあるのだ。結果として住民の肥満や心臓病が多発する地域に変わってしまった。

 また、3人に一人が肥満という"砂糖大国"アメリカへも取材に飛び、ニューヨークではピューリッツアー賞受賞の作家マイケル・モスにインタビューする。巨大な食品メーカーが、最も売れるための甘味料の最適値を見つけるための実験を積み重ね、その値を犹衒‥性瓩噺討咫⊆尊櫃両ι覆隆鼎気僕用している現状などを聞き出す.........。

 上映のため来日したガモー監督はこう話す。「砂糖がすべて悪だということではない。しかし、本来、人間は自然の食物から摂取できる糖質で十分だった。この映画を作ってからは娘の食べるものに十分に注意をしている。親という存在は、自分の子供たちだけではなく未来の世代に大きな責任を持つ。食べ物において正しい選択をするだけで身体的だけではなく、精神的にも健康な生活を維持できるということをもっと理解して欲しい。」

 毎日、当たり前のように摂取している大量の砂糖。われわれはその甘さに慣れすぎ、無自覚になっていないか?
(文=編集部)