『セーラー服と機関銃 -卒業-』オフィシャルサイトより

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 橋本環奈の初主演映画『セーラー服と機関銃 -卒業-』(公開中)が、238館の公開規模ながら週末2日間の興行収入は2,000万円台と、“大コケ”したことが話題となっているが、渾身のソロデビューシングル「セーラー服と機関銃」(YM3D)のセールスもまた、あまり芳しくないものとなっている。初週売り上げは約1万2,000枚で、3月7日付のCDシングル週間ランキングで11位にランクインしているものの、その後のセールスは低迷している。もちろん、昨今のCD不況を鑑みれば立派な数字といえるかもしれないが、それでも話題ほど売れていないという印象が強い。

 橋本以外にも、ソロアイドルとして売り出そうとして失敗したケースは少なくない。アイドルグループのさくら学院を卒業後、2014年4月からソロ活動を開始した武藤彩未は、当初は“ソロアイドルの時代の再来”と騒がれたものの、大きくブレークすることなく、15年12月に活動を休止している。アイドリング!!!の元メンバーだった遠藤舞も、高い歌唱力を生かして13年7月にソロデビューを果たしたが、14年8月以降は新作のリリースが止まり、現在は舞台などでの活動が主となっている。

「近年は、AKB48のような“グループアイドル”が花盛りだったため、その後はソロアイドルがブームになるのではないかという見立てのもと、いくつかのプロジェクトが立ち上がりましたが、そのもくろみはことごとく外れている印象です。ソロアイドルが一世を風靡した80年代は、メディアが先導して新たな才能を売り出す、いわゆるスター・システムが機能していた頃で、アイドルと一般人の間には大きな隔たりがあり、だからこそ彼女たちは手の届かない魅惑の存在として人気を集めました。

 一方、昨今のグループアイドルは各メンバーを個人的に推したり、メンバー同士の関係性や成り上がりのストーリーをファンと共有するなど、参加型のコンテンツとして人気を集めてきた経緯があります。AKB48の『会いに行けるアイドル』というコンセプトが象徴するように、それはかつてのスター・システムに対するカウンターにもなっていて、だからこそ一大ムーヴメントへとつながった部分もあるでしょう。『セーラー服と機関銃』に関する一連のプロジェクトは、かつてのスター・システムを復活させようとした意欲的な施策といえますが、あらためてその敗北を証明したともいえます。今の時代、メディアが先導してムーヴメントを起こすことがいかに難しいかを示したという意味で、ソロアイドルの失敗から学ぶことは多そうです」(音楽業界関係者)

 芸能界における“スターの不在”が叫ばれて久しいが、今後、世間の注目を一身に集めるアイドルは現れるのだろうか?
(文=山下祐介)