春のお彼岸のステキな過ごし方は、“簡単ぼた餅”作りで決まり!

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春分の日とは、太陽が真東から上って真西へ沈み、昼と夜がほぼ同じ長さになる日のこと。その前後の3日間を合わせた7日間をお彼岸といい、お墓参りをしたり、仏壇にお供えものをしたりするのが昔からの慣習。

「お彼岸には先祖供養して、春は“ぼた餅”、秋は“おはぎ”をお供えするのが一般的です。小豆には魔除けの効果があると信じられていたことから、邪気払いのためにこの日に小豆を使ったお菓子を食べるようになったそうです」 と、歳時記に関する著書を持つ柳本あかねさん。

“ぼた餅”と“おはぎ”は基本的には同じもの。春は牡丹の花が咲くので“ぼた餅”、秋は萩が咲くから“おはぎ”と呼ばれるようになったのだとか。

「“ぼた餅”にはこしあん、“おはぎ”には粒あんを使うことが多いのは、春には固い小豆を柔らかくいただくために皮を取り除いたこしあんを、秋には収穫したての豆をそのまま味わうために粒あんを使っていたためだとも言われています」(同)

春分と秋分の日付は毎年異なり、今年の春分は20日に。ゆっくりできる3連休の中日にあたるから、ぼた餅作りに挑戦してみては? そこで、柳本さんにおすすめのレシピを教えてもらった。

「もち米のかわりに道明寺粉を使えば、電子レンジでも作れるので簡単。道明寺のお餅と餡をそれぞれ丸めて並べたり串にさしたりすれば、餡でお餅を包む手間も省け、見た目にもかわいいです。お餅に桜の塩漬けを混ぜたり、きなこ餅にうぐいすきな粉を使ったりすると、より季節感を楽しめます」(同)
◆道明寺粉のぼた餅

材料(1人前/1串3個×2)
桜の塩漬け 2輪
水 60g
道明寺粉 40g
上白糖 6g(大さじ2/3)
塩 ひとつまみ
うぐいすきなこ 小さじ2
こし餡 20g

<下準備> 
1 桜の塩漬けを5分ほど水に浸けて塩抜きする。
2 軽く絞ってから、ガクと茎を取り除き、花弁のみを細かく刻む

<作り方>
1 耐熱ボウルに水と道明寺粉を入れて軽く混ぜ合わせる
2 1を5分置いて蒸らした後に、ラップをかけて電子レンジ(500W)で3分加熱
する
3 ラップを外し、乾いた布巾を上にかけて約10分蒸らす
4 道明寺餅がふっくらしたら、上白糖と塩を加えて全体をしゃもじで混ぜる
5 1分ほどして粗熱がとれたら、4を4分割にする
6 そのうち2個を丸めて、うぐいすきなこをまぶす
7 5の残り2個に刻んだ桜の塩漬けを混ぜ合わせて丸める
8 こし餡を2分割して、そのまま丸める
9 6〜8で作ったお団子3つを1本の竹串に刺したら、できあがり

「道明寺餅を丸めるときには、手を濡らすか、ラップでくるむと、やりやすいで
す」(同)

お墓参りに行く予定の女子もそうでない場合も、でき上がったぼた餅をゆっく
り味わいながら、ご先祖さまに思いを馳せて。

写真:白井由香里

柳本あかね
日本茶カフェ「茜や」、お茶とお酒「茜夜」店主。日本茶インストラクター。
きき酒師。グラフィックデザイナー。二級建築士。著書に『いちばんおいしい
日本茶のいれかた』(朝日新聞出版社)、『神楽坂「茜や」の小さな暮らし』
(河出書房新社)、『「茜夜」のシンプルに暮らす、小さなキッチン』(河出
書房新社)がある。最新著書に『「茜や」の小さく楽しむ おうち歳時記』
(河出書房新社)。