16日、新華網によると、今年の「両会」で、委員から輸入医薬品への依存度の高さが指摘された。資料写真。

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2016年3月16日、新華網によると、今年の「両会(全国人民代表大会と全国人民政治協商会議)」で、委員から輸入薬への依存度の高さが指摘された。

21歳の女性は、ある日突然、自分の足で歩くことが困難になった。2週間の検査の結果、彼女は「多発性硬化症」と診断された。患者の多くが若者で、重い場合は失明や半身不随、知能障害などを引き起こす上、完治しても再発の可能性がある難病だ。中国では少なくとも1万9000人以上の患者がいると言われている。

しかし、「両会」の開幕を控えた3月1日に、ドイツの製薬会社バイエル(Bayer)が中国で行っていた多発性硬化症の患者への支援を停止することを発表した。これは、女性たちの治療薬「ベタフェロン」の供給が途絶えてしまうことを意味する。こうしたケースは初めてではない。バイエルは昨年6月にも、肺動脈性肺高血圧症の治療薬「ベンテイビス」の中国での販売を停止した。

難病の治療薬はその価格も問題となっている。前出の女性は、バイエル社と中華慈善総会の援助を受けていた期間でも、年間約5万元(約85万円)が必要だった。仮に自費でまかなった場合は、年間15万元(約255万円)が必要になる。中華慈善総会によると、中国には現在、およそ1200万人の肺動脈性肺高血圧症患者がいると言われているが、ほとんどが経済力のない人たちだ。難病の治療薬は価格が非常に高いものが多く、中国庶民の経済レベルや医療保険では対応しきれないのが現状だという。

全国人民代表大会の劉連昌(リウ・リエンチャン)委員は、「国内に代替となる薬が不足していることで、輸入薬の価格が高騰し、またその薬が中国市場からなくなると患者の健康と生命を脅かすリスクにつながる」と指摘し、「治療薬の海外への依存は非常に危険なレベル。海外の製薬会社に首根っこをつかまれた状況ではいけない」と警鐘を鳴らした。(翻訳・編集/北田)