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 日本IBMは人気小説「ソードアート・オンライン」とコラボし、体験イベント「ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM」を開催している。日本IBMはなぜ今回の体験イベントを実施したのか。その意味と価値について、イベントの内容とあわせて紹介する。

 日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は人気小説「ソードアート・オンライン」とコラボし、体験イベント「ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM」(3月18〜21日の3日間)を開催している。208名限定の募集に対して10万人以上から応募があり、当選確率は約500分の1となった。
「ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM」会場の様子

 日本IBM Twitterアカウントがイベントに関する告知をしたのは、たったの2ツイートのみ。しかし、そのツイートが大きな話題を呼び、リツイート数は計3万以上、インプレッション総数は350万を超えるに至ったというから驚きだ。日本IBM Twitterアカウントのフォロワー数もイベント前の2.5倍に急増した。

 日本IBMはなぜ今回の体験イベントを実施したのか。その意味と価値について、イベントの内容とあわせて紹介する。

■「ソードアート・オンライン」の世界を現実に
「ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM」
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 「ソードアート・オンライン」は、KADOKAWAディアワークスが発行する電撃文庫の人気シリーズだ。原作者は川原礫氏。次世代オンラインゲーム『ソードアート・オンライン』を舞台に繰り広げられる物語を描いている。2012年のテレビアニメ化を機に、ゲーム、コミカライズなどマルチメディア展開を拡大させ、その人気の広がりは海外にも及んでいる。

 今回の体験イベントでは、小説内で描かれるオンラインゲームの世界観を、IBMの先進技術を活用して再現。川原礫氏監修のもと、小説内では2022年にサービスを開始するオンラインゲームが、実は2016年にアルファテストを行っていたという誕生秘話をWebサイトで展開した。イベントの参加者も“アルファテスター”ということになっている。小説内の物語を現実のイベントと設定的にも融合させているのだ。

 IBMのクラウド・サービス「SoftLayer」をシステム基盤として活用することで、高負荷なデータが高速処理され、現実世界の臨場感をゲーム上で実現。また、IBM Watsonのようなコグニティブ・コンピューティング関連の新技術が未来のゲームで活用されたら何ができるのかを表現したキャラクター「コグ」(イメージイラスト中央のキューブ状のもの)を作り上げ、ゲーム内に案内役として登場させている。「コグ」にIBM Watsonや人工知能が使われているわけではないのだが、膨大なデータを理解し、目的を持って推論し、人と自然な形で対話できるようになることを目指すというIBMが提唱するコグニティブ・コンピューティングの近未来像をイメージできるという仕掛けだ。

■VR端末「ナーヴギア」でゲームの世界へ

 まず、プレイヤーの姿をスキャンし、3Dアバターが作成される。ゲーム内でも自分の姿が動きまわるというわけだ。そして、原作にも登場するVR(拡張現実)端末「ナーヴギア」、そのプロトタイプとされるヘルメット型の装置をかぶる。専用シューズにもセンサーが取り付けられた。これにより、体の動きがゲーム内に反映される。
「ナーヴギア」をかぶった筆者。メガネは外す必要があり、そこそこ重みを感じた。

 同時にプレイしたのは4人。原作中にも登場するセリフ、「リンクスタート」の掛け声(少し恥ずかしい)とともに“ログイン”し、ゲーム開始だ。視野全体がそれまで見えていた現実世界のものから、ゲームの画面へと移り変わる。「はじまりの街」に降り立ち、簡単なチュートリアルがはじまる。
「はじまりの街」を散策することができた。

 案内するのは前述の「コグ」。その声をあてるのは声優の伊藤かな恵氏だ。同氏が演じるキャラクターはテレビアニメにも登場している。この演出に、原作ファンなら思わず唸ることだろう。宙を舞う「コグ」の方に手を差し出すと、ひらりとかわされてしまった。隣を見ると、他のプレイヤー(のアバター)が立っている。その場で足踏みすれば、ゲーム内で歩くことができる。メニュー表示などもアニメで描かれていたものを忠実に再現しており、空中のメニューを操作する感覚はとても新鮮だ。そして、いよいよモンスターとの戦闘。

市川明徳(編集部)[著]