17日、中国人民銀行の陳雨露副総裁は高額紙幣発行に関するうわさについて、人民銀は高額紙幣を発行する計画はないと明言した。写真は1元札。

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2016年3月17日、中国人民銀行(中央銀行)の陳雨露(チェン・ユールー)副総裁は両会(全国人民代表大会・全国政治協商会議)開催中に流れた高額紙幣発行に関するうわさについて、人民銀は高額紙幣を発行する計画はないと明言した。人民日報海外版が伝えた。

▼「高額紙幣」の市場ニーズなし

高額紙幣は世界においても一部の経済体制で発行され、今も使用している国家は少なくない。しかしながらやはりその国の実際の発展状況に基づくものである。中央財経大学中国銀行業研究センターの郭田勇(グオ・ティエンヨン)センター長は「一般的に国が額面の大きい貨幣を発行するには2つの可能性がある。1つはその国に深刻なインフレが生じ、その国の中央銀行が額面の大きい貨幣の発行を選択せざるを得ない場合。もう1つはその国の富が急激に増加したことで、貨幣不足が生じた場合だ」と指摘した。

では中国にはこのようなニーズがあるだろうか?郭センター長は「中国は現在CPI(消費者物価指数)の勢いも穏やかで、インフレのリスクは無い。また経済も現在基本的に7%前後のやや速いスピードでの成長を維持しているものの、国民の富の成長は比較的穏やかで、貨幣の供給も正常である。そのため、中国は現在、額面の大きい貨幣を発行する必要性が無い」と語った。

▼1元札の硬貨化を試行エリアで推進

このほど中国人民銀行済南支店が発表した情報によれば、今年山東省の一部の都市で「1元札の硬貨化プロジェクト」が実施される予定で、山東省の5都市では商業銀行で1元札の供給を停止する。陳副総裁はまず一部の試行エリアで実施し、次第に展開していくとした。

この件について、郭センター長は1元硬貨化の推進は日常的な取引をさらに便利にするためだと指摘している。1元硬貨はその耐久性と保管の上でも非常に優れている。日常生活の中でも地下鉄や自動販売機など硬貨の使用がより便利になる。

また多くの専門家は1元紙幣の流通停止は「序章」に過ぎず、技術の進歩につれて、電子取引が主流になっていくと考えている。郭センター長は「ネット消費やオンライン決済、モバイル決済などのおかげで、電子取引を取り巻く環境は現在ますます成熟してきている。将来的に通貨だけでなく決済方式も全て電子化の道を歩むことになるだろう」と語った。

人民銀は現在、「デジタル通貨(仮想通貨)」の発行を検討しているという。人民銀の周小川(ジョウ・シャオチュワン)総裁は、「紙幣は技術的にレベルが低く、安全面・コスト面から見ても、新技術や新製品に取って代わられるのが時代の流れだ。人民銀行が発行するデジタル通貨は主に現金の代替となるもので、伝統的な紙幣の発行・流通コストを引き下げ、利便性を高めることができる」と語る。(提供/人民網日本語版・翻訳/TG・編集/武藤)