ナイキは、1989年の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』に登場した自動で靴ひもを締めるスニーカーの市販版を発表した。足の形と荷重の配分をセンサーで感知し、靴ひもを調整してくれるという。

SLIDE SHOW 「ナイキ「 バック・トゥ・ザ・フューチャーのスニーカー」を一般発売へ」の写真・リンク付きの記事はこちら

2/5

3/5

4/5

5/5

Prev Next

ナイキは、自動で靴ひもを締めるスニーカー「Nike Hyperadapt 1.0」を発表した。同社の独自技術「EARL」(electro-adaptive reactive laces:電子制御で反応する靴ひも)を採用した初めての製品で、2016年中に発売される予定だ。

EARLシステムはソールに内蔵されたセンサーによって作動し、着用者の足の形と荷重の配分に応じて靴ひもを調整する。靴ひもの調整は滑車によって行われ、自分でひもを締めたり、緩めたりできるボタンも付いている(特許技術を図解した日本語版記事はこちら)。

ナイキは、1989年の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』に登場した自動で靴ひもが締まるスニーカー「Nike Air Mag」を、2015年10月に製作し、主人公マーティ・マクフライを演じたマイケル・J・フォックスにプレゼントした(日本語版記事)。しかし、この技術が一般向けの商品に搭載されるのはNike Hyperadapt 1.0が初めてとなる。

EARLシステムは、内蔵バッテリーを動力源としている。デザイナーのティファニー・ビアーズによれば、「約2週間」ごとにバッテリーを充電する必要があるという。ソールのLEDも同じバッテリーで点灯し、LEDを見ればバッテリーの残量がわかる仕組みだ(充電器もセットで発売される予定)。

2016年中に発売ということだが、価格も発売日も決定していない。ビアーズ氏によれば、EARLシステムの開発は10年前に始まっていたそうだ。ナイキの製品を長年支えてきたデザイナーで、映画に登場したスニーカーもデザインしたティンカー・ハットフィールドはNike Hyperadapt 1.0について、現在「アルファ版」の段階で、初期ユーザーにフィードバックを求める可能性もあると説明する。ベータ版の開発はすでに始まっている。

ナイキのマーク・パーカー社長兼CEOはニューヨークで行われた発表イヴェントで、Nike Hyperadapt 1.0は「スポーツの新時代、つまり、個人に合わせた機能の時代」の到来を告げると宣言した。

2日間のイヴェントはリオデジャネイロ五輪で使われる製品の発表も兼ねており、初日には、サッカースパイクの新しい「アンチクロッグ」コーティングが発表された。化学的なコーティングによって、試合中の泥の付着を防ぐというものだ。

ほかにもいくつかの新製品がお披露目された。「Nike Air」ソールは「Vapormax」に進化し、「Nike+」アプリケーションには「好みの製品やトレーニング方法を学習する」機能が加わる。限定品の予約などの特典を受けられる「ギア・アップ・パッケージ」は、スニーカーに目がない人に特におすすめだ。