睡眠が不規則になるシフトワーカーは2型糖尿病発症リスクが高いことが知られているが、睡眠が不規則になると夜勤とは関係ない中高年女性の2型糖尿病発症リスクも上昇するようだ。米ピッツバーグ大学の研究から。

 研究では、対象者の平均就寝時間と就寝時間の変動、遅れ、もしくは前倒しだったかどうかの記録と、BMI(体格指数)および血糖を正常に下げるインスリンの働きを反映する「インスリン抵抗性」との関連を検討した。インスリン抵抗性が上昇するほど、血糖値が上がりやすくなる。

 研究対象は48〜58歳の非夜勤業務の女性370人で、白人、アフリカ系米国人のほか、中国人の女性が参加している。

 その結果、就寝時間がコロコロ変わり、そして寝る時間が遅くなるほどインスリン抵抗性が上昇。また、就寝時間が前倒しになるほど、つまり普段よりも睡眠時間が長くなるほど、BMIが増加した。

 研究者は「シフトワーカーではなくても、不規則な睡眠は健康的な代謝を損なう」と強調している。

 さらに、対象者の5年後の記録を検討した結果、平日と週末との睡眠時間のギャップが大きいほどインスリン抵抗性が最大2倍も上昇することが判明している。ようするに、平日の寝不足を補う週末の寝だめは、逆に健康に悪いというわけ。

 週末の寝だめに関する報告は、同じピッツバーグ大学の他の研究グループからも出されている。

 こちらは男性を含むシフトワーカー447人(35〜54歳)が対象。やはり、平日と休日とで就寝・起床時間のギャップが大きいと、インスリン抵抗性が上昇していた。さらに、中性脂肪が上昇する一方で、善玉コレステロール(HDL−コレステロール)が低下した。研究者は「不規則な睡眠は、糖尿病だけでなく、心血管疾患の発症リスクだ」としている。

 とにかく、男女を問わず規則正しい睡眠が健康にいいのは明らか。

 急な残業やおつきあいが入った方は、家人に「先に寝ていて」の一言を入れておくといい。「私の健康を心配してくれている」と評価があがる、かも。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)