ハリルホジッチ監督は3月シリーズでどんな結果を残すか。はっきりとしたスタイルを打ち出したいが……。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 ワールドカップ・アジア2次予選、日本はグループEの6試合を消化して5勝1分の勝点16で首位に立つ。

 すでに2位以内を確定しているが、無条件で最終予選に進めるのは1位のみ。各組の2位で2次予選を突破できるのは成績上位の4か国で、残る4チームは予選敗退となる。

 2位のシリアとの勝点差はわずか1。負けが許されない今回の連戦で、ハリルホジッチ監督が「目的は2試合に勝つこと、失点しないこと、そしてできるだけたくさんの点を取ること」と言うのは頷ける。

 U-23代表のポルトガル遠征が重なった関係で遠藤航らは外れたが、勝負へのこだわりは選ばれた24人の顔ぶれを見ても分かるだろう。

 現体制下で初招集はハーフナーひとり。メンバー発表の席でどよめきがまるでなかったように、ほぼ順当な23人と言える。

 リーグ序盤戦の好調ぶりを踏まえれば、小林の選出も妥当。サウサンプトンで途中出場が増えたCBの吉田、ドルトムントで出番が減った香川などクラブシーンで不完全燃焼の選手もいるが、そんな彼らも代表では主力として戦ってきたのだから、“ガチな面子”である。

 ただ、ハリルホジッチ監督はすでに9月の最終予選を睨んでいるようで、真剣勝負のなかでもいくつか確認作業とテストをしたい意向も持っていた。

 その確認作業とテストの内容を説明する前に触れておきたいのが、ハリルホジッチ監督の“変化”だ。就任当初は「パワー」という言葉を連呼し、名古屋の川又や川崎の谷口に力強いプレーを求める向きもあったが、試合を重ねるにつれて「スピード」や「テクニック」というフレーズが多くなった。

 そうした変化を示すうえで象徴的な選手が、柏木だろう。今回のメンバー発表の席でハリルホジッチ監督ははっきりとこう言った。

「パワーはありませんが、守備と攻撃の両局面でチームに良いものをもたらしてくれます。良いボールを送れますし、プレーのスピードというところでも彼が必要」
 
 そしてハリルホジッチ監督はチームの方向性についても次のように明言していた。

「ロングボールで空中戦を挑むのは、我々のプレーではない。早くボールを走らせ、ワンタッチ、ツータッチを使う。そしてギャップと背後を突く。自分たちよりもフィジカルがある選手たちとの接触を避けながら、そうしたことをやらなければいけない。我々は、できるだけ早くグラウンダーでボールを走らせることを考えなければいけません」

 フィジカルの不足分はプレースピードで補う──。弱点を克服すること以上に日本人選手の特長を活かして戦うやり方にシフトしたように映るハリルホジッチ監督が、今回の連戦で確認しようとしているひとつが引いた相手にスピーディな攻撃を展開できるかどうかという点だろう。

 その起点として期待されるのがやはり柏木だ。4-3-3のトップ下から前の4人が良い形でシュートに持ち込めるかは、柏木のゲームメイクにかかっているかもしれない。

 この3月シリーズで結果を出せば、柏木は最終予選でも前線の選手のスピードとテクニックを引き出すためのキーマンになる可能性はある。代表定着に向け、柏木本人にとってもアフガニスタン戦とシリア戦はターニングポイントになりそうだ。

 もうひとつ注目すべき確認作業を挙げるなら、前線の選手の役割だろう。

「レスターでは守備的MFもしくはCBの岡崎には、代表で違う仕事を要求する」

「本田はミランで右サイドハーフだが、代表ではもっと前でプレーしてほしい」

「金崎に関しては代表では中央のエリアにいてほしい」

 ハリルホジッチ監督のこうしたコメントから察すれば、今回の連戦で彼らに求められるのはゴールに直結するプレーだ。