今回の3月シリーズでは24人を招集。長谷部、宇佐美は盤石のレギュラーである一方、トップ下、CBは熾烈な競争が繰り広げられそうだ。

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 24人の顔ぶれを見れば、これまでのハリルジャパンを構成する多くのコアメンバーが選出された。U-23代表のポルトガル遠征と時期が重なり、遠藤航や南野拓実らは選外となったが、欧州組が13人、国内組は11人という割合で、概ね想定内の選手がロシア・ワールドカップ2次予選の残り2試合に挑むことになる。

【日本代表PHOTO】W杯2次予選3月シリーズのメンバー24人
 
 2016年の最初の代表活動で対戦するのは、アフガニスタン(3月24日)とシリア(3月29日)だ。シリアとは無条件で予選突破が決まるグループ1位を争う戦いとなるはずで、是が非でも勝利が必要となる。もちろん、力の劣るアフガニスタンに負けるわけにはいかず、2連勝をノルマに設定し、確実に勝点6を積み上げて最終予選進出を決めたい。
 
 以下、基本システムの4-3-3に沿って、各セクションの序列を考察していく。
 
【GK】
◎東口順昭(G大阪)/○西川周作(浦和)/△川島永嗣(ダンディー・ユナイテッド)/△林 彰洋(鳥栖)/
 
 まずGKから見ていくと、今回は4人が選ばれている。3月の候補キャンプにも名を連ねていた東口、西川、林のほか、これまでは所属クラブが決まらずに招集が見送られていた川島が、約9か月ぶりの復帰を果たした。
 
 ただ、現時点での序列では、林と三番手を争う位置付けか。コンディションが万全でなく、今回の3月シリーズでも「フィジカル状態を把握するために招集した。プレーしないかもしれない」とハリルホジッチ監督は語っており、過去2度のワールドカップで正GKを務めてきた男も、今は「先発を奪う立場」(同監督)だと言う。
 
 レギュラーの座を争うのは、東口と西川のふたりだが、東口がややリードか。西川はリーグ戦の磐田戦で凡ミスから失点を献上。対する東口について、ハリルホジッチ監督は起用を示唆する発言をしており、さっそくアフガニスタン戦で先発する可能性は決して低くないだろう。
 
※凡例:◎=スタメン候補 ○=準レギュラー △=バックアッパー
 
【DF】
CB)
○森重真人(FC東京)/○吉田麻也(サウサンプトン)/○槙野智章(浦和)/△昌子 源(鹿島)
右SB)
◎酒井宏樹(ハノーファー)/△酒井高徳(ハンブルク)
左SB)
◎長友佑都(インテル)/△藤春廣輝(G大阪)
 
 CBの主軸はこれまで吉田が担ってきたが、クラブでは絶対的なレギュラーではなく、先発を外れる試合も少なくない。一方、ここ最近では、元セレソンのジョーと渡り合ったACLの江蘇蘇寧戦など、高いパフォーマンスを見せている森重をハリルホジッチ監督は高く評価。さらに、指揮官が重視する“デュエル”でより強さを発揮する槙野の存在もあり、CBは“本命不在”のポジションと言っていいかもしれない。この3人を追う昌子はさらなるアピールが必要だろう。
 
 欧州組同士で争う右SBは、残留争いに苦しむチームで奮闘を見せる酒井宏を一番手に。酒井高は3月13日のレバークーゼン戦で先発出場を果たすも、前半のみで交代させられるなど、コンディション不良が懸念される。合流するまでにどこまで回復できているかが焦点となる。
 
 左SBは長友が実力、経験ともに藤春を大きく上回る。もっとも、藤春のスピードを活かした攻め上がりはハリルホジッチ監督も認めており、チャンスを得られれば、持ち味の攻撃センスを見せつけて好アピールにつなげたい。
 
※凡例:◎=スタメン候補 ○=準レギュラー △=バックアッパー
 
【MF】
ボランチ)
◎長谷部誠(フランクフルト)/◎柏木陽介(浦和)/△山口 蛍(ハノーファー)
トップ下)
◎香川真司(ドルトムント)/○原口元気(ヘルタ・ベルリン)/△清武弘嗣(ハノーファー)
 
 キャプテンの長谷部は不動のボランチ。コンビを組むのは、今回の相手であるアフガニスタンもシリアも引き気味に構えてくることが予想されるなか、自慢の左足を駆使したチャンスメイクに秀でる柏木がスタメンに近い位置付けだろう。
 
 ハリルホジッチ監督は山口の守備力に大きな期待を寄せているものの、当の本人は今オフに移籍したハノーファーで、まだ本領を発揮できていない。そのパフォーマンスはいまだ不安定で、今回はバックアッパーに甘んじることになりそうだ。
 
 トップ下は香川が盤石の地位を築いているが、合流は3月22日(火)の予定で、同24日のアフガニスタン戦は疲労を考慮され出場の見込みは低い。香川に代わってアフガニスタン戦で先発濃厚なのが原口だ。ハリルジャパンでは過去、ボランチや右SBなど複数のポジションで試されてきたが、今回は「真ん中」(ハリルホジッチ監督)で考えられており、より多くの決定的な仕事が求められるだろう。
 
 清武は負傷明けで、指揮官も選出するか否かの判断には多くの時間を費やしたという。結局、招集されたものの、ハノーファーの同僚である山口と同様、出場機会は限られたものになりそうだ。
 
※凡例:◎=スタメン候補 ○=準レギュラー △=バックアッパー
 
【FW】
CF)
◎岡崎慎司(レスター)/○金崎夢生(鹿島)/△ハーフナー・マイク(ADOデンハーグ)
右ウイング)
◎本田圭佑(ミラン)/△小林 悠(川崎)
左ウイング)
◎宇佐美貴史(G大阪)
 
 岡崎はプレミアリーグで優勝争いを演じるチームでレギュラーを張るだけに、心身ともに充実している。一方、金崎は先の候補キャンプでは腰に痛みを抱えてほぼ別メニューだったが、それでも選ばれているのは大きな期待の表われだろう。過去の実績から岡崎をCFの一番手としたが、金崎が猛追しているのは間違いない。
 
 さらにCFには、ハーフナー・マイクが約1年半ぶりの復帰を果たした。クラブでは今季、13得点を挙げるなど好調をキープしているが、代表ではあくまでも“高さ”というオプションにしかすぎず、現状は三番手が妥当。もちろん、貴重な切り札となる可能性は高く、戦術的な幅を広げる意味でも、楽しみな存在ではある。
 
 右ウイングは本田の独壇場。バックアッパーには今季、クラブで結果を出している小林が控えるが、CFでの起用もありそうだ。
 
 左ウイングは、指揮官から無上の寵愛を受ける宇佐美がファーストチョイス。「我慢して使い続ける」(ハリルホジッチ監督)という位置付けにある以上、期待に応えるハイパフォーマンスを見せてほしいところだ。
 
※凡例:◎=スタメン候補 ○=準レギュラー △=バックアッパー