昨年11月のシンガポール戦で代表初ゴールを決めた金崎。今回の2連戦でもCFでの起用が予想される。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 鹿島の前線の軸として活躍する金崎夢生が、ワールドカップ・アジア2次予選のアフガニスタン戦(3月24日)、シリア戦(同29日)に向けた日本代表メンバーに招集された。

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 クラブでのプレーを見れば、順当な選出と言えるだろう。今季の鹿島では2トップの一角を担い、J1・2節の鳥栖戦では決勝ゴールも決めている。7日からの代表ミニ合宿ではほぼ別メニューだったが、12日の3節・仙台戦では先発しており、コンディション面の不安も解消された。
 
 そんな金崎を、ハリルホジッチ監督も「運動量が多く、興味深い選手です。本当にたくさんポジションを移動します。頑張り屋ですね」と評価している。とはいえ、クラブでのプレーをそのまま代表で表現すれば良い、というものではないようだ。指揮官はメンバー発表会見の席で、金崎にクラブと異なる役割を求めることを示唆した。
 
「A代表では、少し中央に残っていてほしいですね」
 
 これはおそらく、金崎にとって嬉しくない注文だろう。空中戦の強さやシュートの積極性など様々な特長はあるものの、最大の持ち味は「本当にたくさんポジションを移動」すること。左右のスペースに流れてボールを受け、そこからフィジカルとテクニックを駆使したドリブル突破でチャンスを拡大する。いわば、ムービングタイプのFWである。
 
 振り返れば、ハリル体制下で初招集・初得点を決めた昨年11月のシンガポール戦でも、金崎に伸び伸びとプレーしていた印象はなかった。むしろ、活動範囲を制限され、窮屈そうにしていたイメージが残っている。同じような役割をリクエストされる今回の2連戦も、持ち味を100パーセント発揮するには至らないかもしれない。
 
 しかし、こうした指揮官の要求は、金崎が乗り越えなくてはならない壁だろう。縦への素早い攻撃を志向するハリル体制下において、そのフィニッシャーとなるCFに求められるのは、ゴール前での仕事だ。中央に構えてポストワークをこなしつつ、CBと駆け引きして裏のスペースを狙い、ダイレクトにゴールに迫る役割をこなさなければならない。
 
 金崎と同じムービングタイプの岡崎慎司が苦戦している現状を見れば、簡単な仕事でないのは想像がつく。だからこそ、金崎が指揮官を納得させるパフォーマンスを披露できれば、チャンスは広がる。
 
 クラブとは異なる役割へのアジャスト――。CFとしての新境地に挑むこの2連戦は、金崎にとって大きなターニングポイントになるかもしれない。