ヘルタ・ベルリンで主にサイドハーフでプレーする原口。トップ下でどのような輝きを見せるか。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 現体制下での初招集がハーフナーひとりと順当なメンバーが選出された今回の2連戦で、ハリルホジッチ監督が新たなテストに踏み切りそうなのがトップ下だ。

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 これまでは香川が起用されるケースが大半だった。しかし、2016年に入ってから所属するドルトムントでのパフォーマンスが急降下。ブンデスリーガ連覇に貢献した12年当時を思わせるプレーを披露した前半戦とは打って変わり、いまや先発落ちの危機に瀕している。

「ドルトムントでかなり厳しい競争を強いられています。ただ、日本代表でもポジションを奪えるかはわかりません」

 記者会見でハリルホジッチ監督ははっきりとそう語った。煽りたかったのは『香川といえども指定席は存在しない』という競争意識だろう。

 では、そのトップ下を務めるのは誰か。香川と同じく「攻撃的MF」として選出された原口と清武がその候補なのは間違いない。ふたりとも3月20日にアウクスブルク戦(ブンデスリーガ27節)を控える香川よりも1日早く代表チームに合流できるため、3月24日のアフガニスタン戦で出場機会を与えられる可能性が高い。

 指揮官が示唆したのが、原口の起用だ。

「クラブでやっている役割とは違うものを求めようかと。ゲンキ(原口)は真ん中もできる。ボールを奪ってから、前に出ていく。半分は守備、半分は攻撃というイメージですね。彼はそれだけのクオリティを備えていますし、もっとゴールも奪ってくれると期待しています」
 ヘルタ・ベルリンで主に左右のサイドハーフでプレーする原口だが、トップ下は未知のポジションではない。途中出場した昨年6月のイラク戦(キリンチャレンジカップ)で務め、1ゴールを奪っている。ただ、「ミスが多かった」と本人が反省の弁を述べたとおり、満足できる内容ではなかった。その時の経験を活かし、アフガニスタン戦でも結果を残せれば、日本代表の新たな武器となるはずだ。

 もうひとりの候補である清武は、中足骨骨折の負傷から復帰した2月以降は降格争いを演じるハノーファーで孤軍奮闘。持ち前のテクニックを駆使して決定的な“違い”となり、そのパフォーマンスはトーマス・シャーフ監督も「キヨがいるだけでチームが劇的に変わる」と絶賛するほどだ。

 ただ、怪我明けということもあってコンディションに不安を抱えており、いきなり先発出場させるかどうかは疑問符が付く。直前練習で様子を見ながら、限定的に出番を与えることになりそうだ。

 その清武以上に懸念されるのが、香川の状態だ。3月13日のマインツ戦(ブンデスリーガ26節)で後半戦初ゴールを挙げたとはいえ、90分間を通じて存在感が希薄で、年明けから続くスランプから抜け出せていない。この2連戦で復調のきっかけを掴めなければ、代表での立ち位置が揺らいでもおかしくはないだろう。

 攻撃の核たるトップ下で輝くのは誰か。3人のアピール合戦に注目だ。

取材・文:高橋泰裕(ワールドサッカーダイジェスト編集部)