難聴と認知症の関係について

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高齢に伴う難聴と認知力低下には因果関係がある

シニア世代の方から耳が聞こえにくくなったという話を聞くことは、よくあるかもしれませんが、難聴と認知症に関係があるのをご存知でしょうか?

アメリカで6年以上にわたる認知力テストで聴力の低下が長期間にわたって脳機能に影響を及ぼすことが確認されました。
ジョンズ・ホプキンス大学で行われたこの研究では難聴の人は聴力に問題のない人と比べ、認知能力が30〜40%も低いことが判明されました。
また通常の高齢者よりも認知能力そのものが3.2年早く下がり始めることも明らかにされました。

既に高齢者の社会的孤立は認知力低下のリスク要因として実証されており、そのことから、社会的孤立と難聴は認知力低下の原因の一つであるといった結論も導き出されています。


難聴を放置すると物忘れもひどくなる

また国内においても同様の報告がなされています。日本補聴器工業会によるJapanTrak2015 では難聴者に直近の1年間でのもの忘れついて訊ねたところ、難聴をそのまま放置していた人のうち、76%の人がもの忘れの程度が、ひどくなったと自覚していたのです。

さらに、認知症になるリスクは軽度難聴、中等度難聴、重度難聴では標準的な聴覚に対してそれぞれ2倍、3倍、5倍であったという結果も他の研究で報告されています。


「音」を聞き分ける耳と脳は密接なつながりを持つ

実は「音」は耳と脳との二人三脚で聞こえているといった面があります。
音を感じたり、音をくっきりと聞き取る働きをもつ「耳」と耳から届いた音を処理して、言葉の内容や必要なものかそうでないかと判断する「脳」との共同作業が行われているのです。

つまり、難聴が進行すると音声処理を行う脳機能への負担が過剰にかかることになり、
その分記憶力や思考力維持のための脳機能が犠牲になるのです。


補聴器の利用により難聴と認知症対策

なお、昨年には認知機能と補聴器の相関関係について、フランスのボルドー大学のエレン・アミーバ教授によって発表されました。
米国学会誌「Journal of the American Geriatrics Society」へ掲載されたこの『自己申告による難聴・高齢者における補聴器及び認知機能低下・25年間の研究』は65歳以上の3670名を被験者として実施されましたが、この研究では、難聴のため補聴器を使っている人のうち認知症になった人は、健聴者のそれと大差ありませんでした。

しかし、難聴をそのまま放置して補聴器を使わなかった場合、認知症になった人は、健聴者や補聴器装用者と比較し、差異がみられました。

現在、補聴器の使用が高齢者の健康を考えるうえで、何らかの影響があるのか?
認知症が大きな問題となっているアメリカや日本などから熱い視線が注がれています。


【山本 理:補聴器コンサルタント】


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