日本では、新品時だけ価格が異常に高く、中古になると値段が大きく下がる。

・2800万円の一戸建→250万円
・500万円のスポーツカー→50万円
・240万円の洗濯機・乾燥機(業務用4台)→10万円など

だが、それを使うときの価値は新品とさほど変わらない。この中古価格と使用価値との歪みに着目すれば、誰でもお金持ちになれるというのが『ベンツは20万円で買え!』の内容だ。「新品神話」を抱く日本人に多くのヒントを与えるエッセイの一部を紹介しよう。

憧れのマシンを激安で買えて、
毎日楽しく過ごせるようになる

 中古車を買うときに、車種を決められない人も多いが、車種を絞る方法は簡単だ。自分の用途から考えよう。

 ワタクシの場合は、不動産物件を見に行ったり、子どもを保育園に送ったり、年老いた母親を病院に連れて行ったりするのが目的なので、使い勝手のいい4ドアセダンがいい。

 そして、いま欲しいマシンを、10年後に買うのだ。

 無一文で帰国した1997年(正確には200ドルを持っていたが)、15型のクラウンマジェスタが新車で販売されていた。アメ車風味なテールの造形が素敵だった。いつかこんなマシンに乗りたいなと思いつつ、ノーマネーでフィニッシュ寸前のワタクシにとって、贅沢な妄想であった。新車のことよりも、翌日の弁当代がないことが、もっと切実な問題であった。

 当時はまだ元気だった厳格な父が所有する、赤い中古の軽自動車、ダイハツ・リーザというクルマを借りるたび、敗北感に打ちひしがれた。

 アクセルを全開で踏んでも加速は緩慢で、意地悪なターボつきのスポーツカーに乗った若者に、後ろから煽られた。路面でいわれのないイヤガラセを受けるたびに、黄金のメルセデスに乗っていたLA時代を思い出し、現実とのギャップを感じ、北海道の冬の鉛色の空を見上げて、ぐっと涙をこらえた。

 11年後の2008年に、ようやく憧れのマシンを手に入れた。鮮度は落ちていたが、10分の1以下の価格で購入できた。その間に、収益物件を複数買うことができたので、おつりで安い中古車を買ったようなものかもしれない。

 その上、古いクルマの減価償却は2年だ。税制上でも優遇される。

 いま欲しいクルマは、メルセデスAMG S 63 4MATIC ロングである。新車で2458万円する。10年くらいたてば、200万円以下で買えると思う。紳士がほぼノーマルで乗っているようなマシンがあれば、買いだ。

 10年後に手に入れるときのことを想像すれば、10年間、毎日が楽しい。毎年、下がっていく中古車相場を見るのも楽しみである。

 株と違って、よほどの希少車以外、爆上げすることはない。下がる一方なので、素人でもチャートが読める。