中国メディアの「中国青年報」は15日付で、「だれが兵になってくれるのか」の見出しの記事を掲載した。(イメージ写真提供:(C)趙慶松/123RF.COM。軍事訓練中の中国の大学生)

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 中国メディアの「中国青年報」は15日付で、「だれが兵になってくれるのか」の見出しの記事を掲載した。

 中国は憲法でも「法律に従って兵役に服し、民兵組織に参加することは、中華人民共和国公民の光栄ある義務である」と定めているように、徴兵制度を残しているが、実際には志願兵だけで必要な兵員を確保してきた。しかし現在は志願者の現象などで、軍は予定人数の確保に苦労しているという。

 特に問題とされているは、大学生が、一定の兵役期間終了後には復学できるとの条件で兵士になる「大学生兵員」で、数年前から「所属部署の専門分野を選択できる」、「経済的な補償を強化」、「兵役期間の短縮」、さらに「兵役期間を1年間として、卒業前の1年の時点で入隊し、除隊後は大学の試験に合格すれば、そのまま卒業できる」特例コースまで設けた。

 ただし同コースでは、兵役時にミスを多発するなどの問題が出ているという。

 南京陸軍指揮学院で、国防動員や兵站を専門とする黄相亮研究室主任は、優遇策だけで若者の入隊を促進するでは、本質的な問題は解決されないと主張。さらに、大学生の優遇を強化しすぎると、部隊内で「同じ任務に就いているのに報酬が違う」との矛盾が激化するという。

 大学入試合格者に対して、身体検査と思想試験を行い、合格者には軍入隊を義務づける方法も考えられているが、優秀とみなされた者が学業で遅れてしまうという問題がある。大学卒業後に兵役に就かせる方法もあるが、入隊後は周囲の兵士よりも年齢が大きく、肉体的能力などの違いの問題が出る可能性があるという。

 他には、兵役を経験した大学卒業生には、公務員採用で優遇するとの考えもあるという。

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◆解説◆
 同記事は、「高学歴の若者」の軍入隊が不足していることに焦点を当てた。現在の軍隊は、兵器や通信機器などが高度化するに伴い、一般的な兵士であっても知的能力が極めて重要になっているという。中国が「大学生兵員」の不足に警戒していることは、兵士の装備取り扱い能力が問題になっていることとうらはらの関係にある可能性がある。(編集担当:如月隼人)