ほくろの多い人は、悪性黒色腫(メラノーマ)などの皮膚がんになるリスクが高いと一般には考えられてきたが、実は、メラノーマ患者にはほくろが少ない人が多いという研究が発表された。

米ノースウェル・ヘルス病院の皮膚科医ケイティ・バーリス氏らのチームが、米医師会誌「JAMA皮膚科学」(電子版)の2016年3月2日号に論文を掲載した。とはいえ、ほくろが多い人が安心してもいいとはいかないようだ。

ほくろ状の黒い腫瘍ができるメラノーマの恐怖

メラノーマは、ほくろ状の黒い腫瘍が皮膚にできるがんで、腫瘍が厚いほど転移性が高く、死亡率が非常に高い悪性がんである。ほくろが大きくなったら危険といわれてきた。

チームは、メラノーマ患者566人の体のほくろを詳細に調べた。その結果、全体的にほくろのある患者は少なかった。566人のうち約66%はほくろの総数が一般の人より少ない0〜20個で、約73%には異常なほくろは全くみられなかった。むしろ、ほくろが50個以上ある患者は、厚さのあるメラノーマの腫瘍がみられるリスクが低かった。

こうしたことから、バーリス医師は「メラノーマは、ほくろが多い人より、少ない人によくみられることがわかった。ほくろの数だけを頼りにリスク判定を行なってはいけない」とコメントしている。

これに対して専門家の間では、次のような反論の声が上がっている。

「メラノーマは、ほくろが多いと危険であることは間違いない。ほくろが多い人は若い時から診察を受けるよう推奨されているので、腫瘍の厚さが少ない段階で治療を受けている可能性がある。メラノーマは、ある日突然見つかるケースが多いので、ほくろがあって心配な人は、専門医に定期的に健診を受けるべきだ」