2016年3月10日、ホンダは新型燃料電池自動車(以下FCV)のクラリティ・フューエルセルを発売しました。初年度はリースのみで200台を販売する計画で、1年半後の2017年秋頃から個人向け販売を開始する予定です。

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FCVといえば、トヨタ・ミライが2014年12月より発売されていますが、実はホンダも1980年代後半から燃料電池車の基礎研究をスタートさせています。

まず2002年にFCXを日本と米国でリースを開始。2008年には燃料電池スタックを飛躍的に進化させたFCXクラリティのリースを行い、そして2016年にクラリティ・フューエルセルが登場、リースが開始されました。

クラリティ・フューエルセルに搭載される燃料電池パワートレインは、FC昇圧コンバーター、燃料電池スタック、駆動ユニットの3つのユニットで構成されています。その中の燃料電池スタックを従来のモデルに比べて33%小型化に成功し、出力密度は世界トップレベルの3.1kW/Lを実現しています。

また、燃料電池スタックが小型化したことで、燃料電池パワートレインを一体化でき、フロントのボンネット下に搭載しています。

その結果、パッケージの自由度が高まり、将来多彩な車種展開が可能となっただけでなく、今回のクラリティ・フューエルセルも乗車人数が5名となりました。

そこで、同じFCVのトヨタ・ミライと今回発売されたホンダクラリティ・フューエルセルとはどこが違うのかを検証してみました。

まずボディサイズですが、ミライは全長4890mm×全幅1815mm×全高1535mm。ホイールベースは2780mmです。一方のクラリティ・フューエルセルは全長4915mm×全幅1875mm×全高1480mm。ホイールベースは2750mmです。

クラリティ・フューエルセルのほうが全幅は60mm広く、全高は55mm低いので、ロー&ワイドなスタイリングとなっています。

 

続いてパワーユニットです。

まずパワーユニットの搭載位置ですが、ミライは駆動ユニットを前方に置き、燃料電池スタックは床下に搭載しています。一方のクラリティ・フューエルセルは、駆動ユニットと燃料電池スタックを一体化し、フロントに置いているという違いがあります。

さらにミライの最高出力はFCスタックが114kW(155ps)、そしてモーターが113kW(154ps)。タンク容量は60+62.4Lで合計122.4L。一充填走行距離は約650km(JC08モード)となっています。

一方のクラリティ・フューエルセルの最高出力はFCスタックが103kW(140ps)、そしてモーターが130kW(140ps)。タンク容量は24+117Lと合計141Lで、一充填走行距離は約750km(JC08モード)となっています。

乗車人数がミライは4人乗りに対して、ホンダクラリティ・フューエルセルは5人乗りです。

最後は安全装備と価格です。

ミライはミリ波レーダーを使用したレーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)をはじめ、衝突被害軽減回避のプリクラッシュセーフティシステム、車線逸脱を注意喚起するレーンディパーチャーアラートが標準装備です。

一方のクラリティ・フューエルセルは衝突軽減ブレーキ(CMBS)、歩行者事故低減ステアリング、渋滞追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)LKAS(車線維持支援システム)などがセットになったホンダセンシングを標準装備しています。

価格はミライが723万6000円。そしてクラリティ・フューエルセルは766万円とややクラリティ・フューエルセルのほうが少々高くなっています。

気になる納期ですが、クラリティ・フューエルセルは2017年秋から個人向け販売を開始しますが、ミライは現在注文しても、納車は2019年以降(2016年2月22日現在)となります。

もしかすると、ミライより先にクラリティ・フューエルセルのほうが納車なんてことになるかもしれません。今、FCVが欲しい!と思ったらクラリティ・フューエルセルを注文するほうがオーナーへの近道かもしれませんね。

(萩原文博、撮影・小林和久)

 

ホンダの燃料電池車クラリティ・フューエルセルはトヨタ・ミライと何が違う?(http://clicccar.com/2016/03/16/359937/)