日本で発明されたというインスタント麺。その根源は中国にあり、中国の「箸文化」を表すものなのだと中国メディアが論じている。では、箸がなければインスタント麺は生まれなかったのか。なぜ中国はインスタント麺を発明できなかったのか。(イメージ写真提供:123RF) 

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 日本で発明されたというインスタント麺。その根源は中国にあり、中国の「箸文化」を表すものなのだと中国メディアが論じている。では、箸がなければインスタント麺は生まれなかったのか。なぜ中国はインスタント麺を発明できなかったのか。

 中国メディア・黄河新聞網は14日「インスタント麺は中国の箸文化に源を持つ」とする記事を掲載した。記事は、「初めてのインスタント麺は日本人が発明したものだと言う人がいる」としたうえで、「しかし、彼らは中国人が麺を日本に伝えたことで、日本で麺が風靡し、インスタント麺が出てきた。インスタント麺の根源はまさに麺であり、中国の箸文化を表すものなのだ」と論じている。

 記事はどうやらインスタント麺を何とかして「中国のもの」にしたいようである。続けて、中国のインスタント麺技術は長年の蓄積によって成熟しており、「今や世界の半数以上のインスタント麺は中国製である」と紹介した。

 13億の人口を抱える巨大な国であることを考えれば、その数字は全く驚くものではない。世界ラーメン協会(WINA)の統計によると、2014年の世界のインスタント麺消費量は1027億食で、そのうち444億食が中国で消費されたという。一方で、人口1人当たりの消費量は韓国の半分程度、ベトナムやインドネシア、そして日本よりも少ない計算になる。

 記事は、「インスタント麺は不健康」という認識から中国における消費が頭打ち状態になっており、業界の革新が必要であると指摘。「中国の伝統的な美食文化をインスタント麺の改革、革新に取り入れ、特色あるインスタント麺の味を生み出すべし」としている。

 インスタント麺業界に革新の嵐を起こし、特色ある中華グルメにしようではないか、と呼びかけているのだが、具体的にどんなものが「特色ある中華グルメたるインスタント麺」なのかがよく分からない。韓国では店でラーメンを頼むとインスタントラーメンが出てくるのが一般的とよく言われるが、そういうことを目指しているのか。酸辣湯など「中国独特」のスープにインスタント麺を入れるのだろうか。残念ながら、それならすでに日本でさまざまな研究開発が進んでいる。

 インスタント麺の起源は中国、中国文化の表れだ、などと主張するのは大いに結構。しかし、国内で消費が減少している業界の状況を打開するために必要なのは「中華グルメ文化」を取り入れることではなく、健康志向、安全志向、品質志向へとシフトしている消費者のニーズにこたえるような商品開発に邁進することではないのだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)