面白い人選である。3月21日からボルトガルへ遠征するU−23日本代表のメンバーだ。

 ポジション別に見ていくと、GKでは櫛引政敏が外れた。最終予選のレギュラーを外し、第2GKだった杉本大地、第3GKを務めた牲川歩見を引き続き招集しつつ、ケガで最終予選を辞退した中村航輔を加えた。
 
 所属クラブでポジションをつかんでいるのは、4人のなかで柏レイソルの中村だけである。昨季はアビスパ福岡のJ1昇格に寄与した彼の復帰は、ある意味で当然と言っていい。
 
 その一方で、クラブレベルでの立場が同じ3人のなかから、櫛引を外した。新しい競争が始まるというメッセージを、手倉森誠監督は発信したのだろう。
 
 DF登録の7人では、カタカナの混じった名前の選手が目を引く。ファン・ウェルメスケルケン・際だ。
 
 ヴァンフォーレ甲府の下部組織出身で、現在は父親の母国オランダの2部でプレーする。手倉森監督によれば、「最終予選のエントリーにも入れていた」ひとりだ。右サイドバックを争ってきた松原健(新潟)と室屋成(FC東京)が戦線離脱していることで、ファンへの「興味が沸いてきた」という。
 
 最終予選は23人で戦ったが、リオ五輪は18人登録だ。チームの戦術的柔軟性を高め、出場停止やケガに強い体質とするためにも、「複数ポジションができる」選手の必要性は高まっていく。
 
 その意味でも、ファンは興味深い。映像でプレーを確認した手倉森監督は、「両サイドでプレーでき、ボランチもこなせる。ロングスローもある」と説明した。ディフェンスのポジションの選択肢を増やし、リスタートの充実をはかる可能性を、ファンは秘めているわけだ。
 
 最終予選のメンバーが名を連ねるDF陣で、昨年12月以来の招集を受けたのは中谷新之介だ。鈴木大輔、エドゥアルド、近藤直也らが移籍した柏レイソルの最終ライン中央で、今月24日に20歳となる彼は定位置をつかんでいる。植田直通(鹿島)、岩波拓也(神戸)、奈良竜樹(川崎F)の3人が先行するCBの一角を、脅かす存在としてテストされる資格はあるだろう。また、昨年10月の鳥栖キャンプで、中谷は右サイドバックでも起用されている。それもまた、このタイミングでの招集の理由かもしれない。
 
 MFには遠藤航(浦和)、大島僚太、原川力(ともに川崎F)、中島翔哉(FC東京)、豊川雄太(岡山)、南野拓実(ザルツブルク)、井手口陽介(G大阪)らが選出された。いずれも最終予選に出場した選手である。
 
 テストを受けるのは2人だ。関根貴大(浦和)と、鎌田大地(鳥栖)である。
遠藤ら既存の戦力が、テストの対象外というわけでない。リオへの競争は全員が横一線からのスタートだ。
 
 そのうえで、関根と鎌田はオプションの担い手としてのテストを受ける。
 
 最終予選までの4−4−2に加え、手倉森監督は4−2−3−1を装備したいとの構想を描く。FW登録を久保裕也(ヤングボーイズ)、金森健志(福岡)、浅野拓磨(広島)の3人に絞り込んだのも、4−2−3−1のテストを裏付けるものだ。最終予選に招集されなかった鎌田と金森は、所属クラブでの起用法から判断しても、トップ下で生き残りを賭けることになるだろう。
 
 リオへ向けた競争を促し、新たなオプションを探る──3月25日のメキシコ戦が楽しみだ。