空腹を我慢しすぎると逆効果!? 多忙な人ほど太りやすいワケとは?
 最近、どうも太り気味。毎日仕事に追われて昼食はパスすることが多いし、夜遅くまで残業するから朝もギリギリまで寝ていて朝食もパス。1日1〜2食しか食べてないはずなのに、どうして体重が増えていくのだろう……。

 そんな悩みを抱えている人、意外に多いのではないだろうか? しかし、こういった食生活は、かえって逆効果だという。

「空腹を我慢しすぎると、痩せるどころか、逆に太る体質になります」

 そう語るのは、扶桑社新書『何をやっても痩せないのは脳の使い方をまちがえていたから』を上梓した精神科医の奥田弘美さん。なぜ、食事を抜くと太る体質になるのか? その理由を奥田さんに聞いてみた。

◆絶食時間が長い食べ方は、脂肪が体に蓄積されやすい

 肥満に悩む人の多くは、「お腹が空いていないのに、時間が来たから次の食事を食べてしまう」という食べ方をしている人。大人になってもスリムな体型を維持している人のほとんどが、無駄な食事を摂らず、「空腹をしっかり感じてから食べる」習慣が身についている人だと、奥田さんは指摘する。

 しかし、一方「空腹を長時間我慢しすぎてもいけない」と注意を促す。

「仕事で多忙すぎる男性が太るのは、忙しくて昼食をろくにとれず、空腹を抱えたまま夜遅くまで残業。そして夜遅くに夕食をガツンと食べて寝る。朝はギリギリまで寝ていて朝食はパス」というパターンが多いのだそう。

 奥田さんは産業医として約20社のビジネスパーソンの健康ケアに関わっているが、「夜遅くまで長時間残業をしている多忙な男性が、太りぎみになるのは殆どこのパターン」だという。

「空腹をひたすら我慢していると、体は『今は食べ物が十分に手に入らない、飢餓状態なんだ』と考えるようになってきます。その結果、体は飢餓状態を耐え抜くために、可能な限り代謝を下げていきます。いわゆる基礎代謝の低下を招くわけですが、代謝が下がってしまって超低燃費となった体は、少量のエネルギーでも体が生存していけるように調節されてしまいます。そこに加えて夜遅くに夕食をガッツリ食べると、本人はそんなに食べていないつもりでも、体は『待ってました』とばかりに栄養を片っ端から吸収してしまうのです」

 しかも「食べてからすぐ眠ると脂肪が合成されやすくなるために、夜遅くのガッツリ食べはメタボ体型まっしぐら」だという。1日2食、1日1食と食事間の絶食時間が長い食べ方は、脂肪をどんどん合成し、体に蓄積しやすいデブ体質にさせてしまうのだ。

「残業が遅くまである日は、午後8時までにおにぎりやパンなどで脂肪化しやすい主食部分は食べておく。夜遅くに帰宅してからは、魚や脂身の少ない肉などと野菜を腹5分目程度に食べる『2分割食べ』に変えると太りにくい」と奥田さんはアドバイスする。

◆朝食抜きは、ダイエットにも仕事にも悪影響を及ぼす

 絶食時間が長い食べ方が、かえって太りやすい体質を作ってしまうことはおわかりいただけただろうか? しかし、食事を抜くことは、ダイエットばかりでなく、仕事にも悪影響を及ぼすという。特に朝食を抜くことは、好ましくない習慣だと続ける。

「普通に夕食を21時〜22時頃までに食べ終えて眠っているのであれば、朝に何か食べないと昼まで体を動かすエネルギーが保てません。夜間の睡眠中に、すでに夕食でとり込んだ食べ物は消化吸収が完了してしまうため、朝に目覚めたときの体は血糖値が下がってしまっている飢餓状態です。低血糖状態の脳は元気が出ないので、ポジティブな思考がわきにくくなり気持ちもネガティブになりがちになるというデータも出ています。また朝食には体温を上げて体を活動モードにスイッチするという重要な作用があります。低体温のままだと知的能力が上がらず仕事の波にも乗れません。体の代謝も低い状態が続くため、脂肪も燃えにくい体になってしまうのです」

 とはいえ、睡眠不足のため朝起きられず、まともな朝食が摂れない人も多いはず。そんな人は、カフェオレと果物など時間をかけず食べられるものを口にするだけでもいいという。見た目も仕事もスマートでいたい方は、ぜひ実践してみていただきたい!<文・写真/HBO編集部>