太りすぎた犬や猫が抱えるリスクを獣医師に聞いてみた!

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少し前の話になるが、ライザップのCMに登場していた太っちょ猫のことを覚えているだろうか。その体形に加え、ふてぶてしい目付きも印象に残る猫だった。その猫が“ライザップで本当に痩せられるのか?”を疑っていたが、猫好きからすると「それよりも君こそそんなに太っていて大丈夫かい?」と心配になってしまったのだが、皆さんはいかがだろうか。太っちょ猫は可愛いと感じる反面、健康面が心配になる。長生きしてほしいからこそ、心配になるのだが、「教えて!goo」にも「子猫なのにもう太り気味」と、2匹飼う仔猫のうち一匹だけが太っているのはなぜなのか、という質問が投稿されており、飼い主さんは太りすぎの猫を心配していた。その質問に対し、ユーザーからは「骨格にもよるようです」(debukuroさん)や「同じ量食べて同じ運動しているのに、筋肉になる子とそうでない子がいます」(sanji01)など、実際に太った猫を飼った経験のある人から回答が寄せられていた。

そこで今回は太り過ぎた動物がかかえるリスクとその対策法について、かくい動物病院の院長である角井茂さんに話を聞いてみることにした。

■日常生活に支障をきたすことも

まず肥満の犬や猫には、夏場に熱中症のリスクが高まると角井先生は指摘した。

「もともと犬や猫は、人と違い汗をかかないので熱を下げるのが苦手です。暑い季節に脂肪で覆われ、熱を放散できないほどの肥満体であれば、熱中症の危険はさらに高くなります。さらに、体温調節のための過剰呼吸による気道障害も発生するでしょう」(角井先生)

さらに整形外科疾患の原因にもなるという。

「肥満であるため体が重く、動作も鈍くなりがち。それなのに動物自身は気持ちが元気であるため、気持ちと動作が追いつかず、日常生活の動作程度で膝の靭帯を断裂し、手術が必要となるケースが数多くみられます」(角井先生)

肥満によるリスクは他にもあるという。

「立ち座りをするだけでも擦れが起き、皮膚炎になることもあります。特に犬は、成人病の一つである糖尿病にもかかりやすくなります」(角井先生)

感染症、便秘、消化器系の病気も起こりやすくなると角井先生。また、手術の際にもデメリットが生じる。

「肥満の動物に手術が必要な際、脂肪に溶けやすい薬剤の調節が困難です。また、脂肪に邪魔されて手術自体が困難なこと、傷の治りが遅くなることもあるでしょう」(角井先生)

手術の成功率が下がるということは、死の確率が上がるということ。肥満であることのリスクはあまりにも大きい。これらの事実を知ってしまうと、飼い主としてはなんとかしたいと思うもの。引き続き角井先生に、対策について聞いた。

■まずは食事管理

人間が痩せようと思った時にすることは運動と食事のコントロールではないか。だが角井先生は、「関節や心臓に問題が出がちなペット(動物)に運動で痩せさせるのは無理がある」と指摘する。では何をすべきなのかというと、食事管理であるという。

「おやつとフードの与え方を再確認してみてください。まずは与えているものを書き出しましょう。家族で飼っているのなら、全員で正直に確認しあうことが大切です。体重の比率から考えれば、ほんの一切れ、スプーン一杯でも相当な量になるかもしれません。そしておやつは一種類にし、量を決める。加減が難しければ、おやつは一日分のフードの中から少量与えましょう。また、思い切っておやつをやめることもよいでしょう」(角井先生)

フードをパッケージの表示通り与えていても太ってしまう場合や、標準量より25%減らして与えても痩せない場合は、何か間違っている可能性があるため、早めに専門家に頼ったほうがよいとのこと。他にも「犬や猫は食物繊維を多めに与えるとお腹が下りやすいので注意が必要である」と角井先生は教えてくれた。人間であれば整腸作用もあることから食物繊維をダイエットの一環で摂取することもあるが、動物の場合には注意が必要なのだ。