中国メディア・環球網は11日、「地域が中国の秩序に適応するというのは実に不快であるが、それでも中国と戦争するよりはましだ」として、対中開戦を呼びかけるような強硬論に警鐘を鳴らすオーストラリアの国際政策研究者による文章を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
 

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 中国メディア・環球網は11日、「地域が中国の秩序に適応するというのは実に不快であるが、それでも中国と戦争するよりはましだ」として、対中開戦を呼びかけるような強硬論に警鐘を鳴らすオーストラリアの国際政策研究者による文章を掲載した。
 
 文章は、オーストラリア政府が2月末に出した国防白書で「中国が南シナ海を埋め立てていることへの憂慮」と「中国が海洋領土争いで地域の緊張を激化している」と指摘したことを紹介。

 そのうえで、「白書」を信じている人は、「中国だってリスクを冒してまで戦争はしないだろう、一触即発ムードになれば引くだろう」と考えているとの見方を示すとともに、この考え方が非常に危険であることを指摘。中国も米国やその盟友に対して同じ考えを持っている可能性が高く、「どちらも相手が引くのを待つなかで、対立がエスカレート」する、第1次世界大戦に似た状況になりかねないとした。

 また、実際の戦闘における圧倒的な優勢を米国やその盟友も中国も持ち合わせていないため、短期決戦で終結するのは不可能であるとも指摘。互いに核兵器を持っており「核のハードルを越えてしまうリアルなリスクもある」とした。さらに、仮にわれわれが戦勝したとしても「われわれが構想してきたアジアの世紀は終わる」とし、「勝利」の意味について再考する必要性も示した。

 そして、アジア秩序の変化で大きなメリットを持つオーストアラリアが全力で阻止すべきは「われわれにとって核心的な利益が変化すること」であると主張。南シナ海問題は戦争の代価やリスクに見合うものであるかと問題提起したうえで「われわれは地域秩序が中国に適応するよう変化する」ことを「実に不快ながら、怖ささえ感じながらも受け入れざるを得ないのだ」と論じ、「真剣に考えるべき時期が来た。心にもない強硬な言論はやめる時が来たのだ」と呼び掛けた。

 夜に長電話やメールのやり取りをしていて、自分が眠いのに「そのうち相手が眠くなって止めるだろう」と互いに思っていたために、結局夜が明けるまで続けることになった、という経験はないだろうか。そして「自分から止めれば」と後悔するのがお決まりだ。文章が指摘している問題も、根本的なところは同じだろう。友人同士の電話やメールとは比べ物にならないほど、多くの人の命に関わる重大かつ深刻な問題であるからこそ、自分に都合のよい「相手への思い込み」は捨てなければならない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)