SB、ボランチ、サイドハーフと複数のポジションをこなし、ロングスローも備えるファン・ウェルメスケルケン・際(右)。故障者続出のSBの救世主として期待がかかる。 (C)Getty Images

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 U-23日本代表は、3月21日〜30日にポルトガル遠征を行なう。「ポルトガルに行けばメキシコとやれる」(霜田技術委員長)のを最優先事項に、もう1試合は欧州のビッグクラブを充てる形でマッチメークを進め、強豪スポルティングとの対戦が決まった。
 
「メキシコは、世界での我々の現在地を測るうえで申し分のない相手」
 
 手倉森監督がそう話すように、前回のロンドン五輪優勝国のメキシコに対してどこまで戦えるかは、今遠征最大の焦点となる。アジアではロングボールを放り込まれることが多く、日本は割り切った戦いで対応してきたが、“対世界”を考えた時には、「違った持ち味で戦わないといけない」(手倉森監督)。世界では地上戦が多くなる傾向を受け、「(足)下のパスのクオリティを高めておきたい」狙いで、鎌田大地や関根貴大を選んだという。
 
 今回のメンバー発表で注目を集めたのが、オランダ2部のドルトレヒトでプレーするDFファン・ウェルメスケルケン・際だ。右SBは、左足ジョーンズ骨折(全治3〜4か月)の室屋成に続き、松原健も右外側半月板の手術(全治3か月)で戦線離脱を余儀なくされ、本大会に向けて新たな人材発掘が急務となっている。「オリンピック最終予選のエントリーの中に入れていた」(手倉森監督)ファン・ウェルメスケルケン・際の映像を見て、「興味が沸いてきた。縁があるんじゃないか」と白羽の矢を立てた。
 
「選手がいなくなったから、それは『違うヤツを探せ』という“お知らせ”だと思っている。ファン(ウェルメスケルケン・際)は両SBにボランチもできて、(エールステ・ディビジの)前節では左サイドハーフでも出場している。ロングスローもあって、U-23代表がこれまで持てなかった武器を落とし込んでくれる可能性がある」
 
 本大会ではメンバーが23人から18人に絞られる。フィールドプレーヤー全員を入れ替える「完全ターンオーバー」はできないため、今遠征は22人で挑むことを決断。3月25日のメキシコ戦、28日のスポルティング戦と中2日で「連戦させたい」意図があるほか、ファン・ウェルメスケルケン・際や両SBをこなす亀川諒史のように、「2つのポジションをできるのが条件というのが色濃くなる」と今後のメンバー選考の基準に関する指揮官のメッセージも込められている。
 
 FW登録は久保裕也、金森健志、浅野拓磨の3人にとどまったが、これまでの4-4-2をベースに、「日本の強みのシステム」と話すトップ下を置くオプション(4-2-3-1など)を模索し、A代表につながるような強化を進めていくという。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)