甘い物が食べたいアナタ、睡眠不足では?(写真はイメージです)

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睡眠不足になると無性に間食をしたくなるが、それはマリファナを吸ったのと同じ状態になるためだということがわかった。

米シカゴ大学のエリン・ハンロン教授らのチームが研究をまとめ、国際睡眠学誌「スリープ」(電子版)の2016年3月1日号に発表した。ダイエットのためには、くれぐれもしっかり眠ることが大切だ。

1日の必要カロリーの90%摂取しても「我慢できない」

ハンロン教授らは、若くて健康な男女14人の協力を得て、夜間の睡眠時間が7.5時間の時が4日間続くケースと、4.2時間の時が4日間続くケースの空腹感と食事内容を比較した。すると、睡眠不足の期間中は、14人全員の血液中で生理活性物質「カンナビノイド2-アラキドノイルグリセロール」(カンナビノイド2-AG)の濃度が急上昇し、日中から夕方まで上がったままだった。

カンナビノイド類はマリファナの原料である大麻の主成分だ。大麻には、カンナビノイド類が60種以上も含まれている。特に、カンナビノイド2-AGは甘い菓子や塩分の濃いもの、脂肪分の多いスナックなどを食べると快楽が増大するのが特徴。みんな体に悪いものばかりだ。

このため、睡眠不足の期間中は、2時間前に1日の必要カロリーの90%をとったばかりというのに、クッキー、キャンディー、ポテトチップを食べることを我慢できない人が続出した。睡眠が十分な期間と比べ、脂肪摂取量も2倍に増えたという。

今回の結果について、ハンロン教授は「睡眠不足は、カンナビノイド2-AGの分泌を増やすので、マリファナを吸った時と同じ状態になります。特定の食べ物への快楽欲求が強くなり、間食を抑えられなくなります。ぜひ、健康のためにも十分な睡眠をとってください」とコメントしている。