台北で事故死した娘の願い受け継いで  宮城在住の父訪台「謝謝台湾」

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(東京 14日 中央社)東日本大震災の翌年から毎年台湾で行われている感謝イベント「日台・心の絆 謝謝台湾」。今月6日に開かれた5回目の同イベントには、活動の中心を担う日本人留学生に混じって、一人の中年男性の姿があった。男性が参加したのは、昨年台湾留学中に事故で亡くなった娘の遺志を継ぐためだ。

宮城県名取市に住む小野幸三さんの娘、愛さんは昨年3月、友人と暮らしていた台北市内のアパートで起きた一酸化炭素中毒事故により、帰らぬ人となった。20歳だった。同居人は駆け付けた親族により救助されたものの、愛さんは発見が遅れた。

中央社の電話取材に応じた幸三さんは、娘の死について台湾を恨まないのか聞かれると、悲しいことだとしながらも、殺されたのではなく事故死で、誰も望んでいなかったものだと語った。

幸三さんによると、愛さんが台湾への留学を決めたのは、震災後に台湾の人々の被災地に対する思いやりを感じたのがきっかけだという。2014年の同イベントでは実行委員を務めた。

幸三さんは先月6日の台湾南部地震発生後、かつて娘が着ていた「謝謝台湾」と書かれたTシャツを身にまとい、地元の朝市で募金活動を行った。娘が生きていたら、必ず南部地震のために募金をするはずだと幸三さんは話す。

今回の訪台では、イベントで震災の状況を描いた絵本を朗読したほか、娘が通っていた台北市内の大学を訪れた。恩師にあいさつし、学生とも会話をしたという。幸三さんは再び台湾人の良さを感じたといい、来年機会があればまたイベントに参加したいと語った。

(楊明珠/編集:名切千絵)