国産初のジェット旅客機MRJが2015年11月、愛知県豊山町の県営名古屋空港で初飛行を行ったことは日本国内で大々的に報じられた。中国が開発中の旅客機ARJ21と規格が近いMRJは中国国内でも大きな注目を集めている。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 国産初のジェット旅客機MRJが2015年11月、愛知県豊山町の県営名古屋空港で初飛行を行ったことは日本国内で大々的に報じられた。中国が開発中の旅客機ARJ21と規格が近いMRJは中国国内でも大きな注目を集めている。

 中国サイト寧夏在線はこのほど、MRJはARJ21の「ライバル」であるとしたうえで、性能や価格を比較する記事を掲載した。

 中国のARJ21は中国商用飛機有限公司が開発した地域路線用ジェット旅客機で、08年に試験飛行を行い、現在は中国国内での就航を目指して最終的なテストが行われている。開発自体はARJ21のほうがMRJを先行していると言える。

 記事は、戦後日本の民間航空機開発の経緯を説明。第2次世界大戦終結からの7年間は全面的に航空機の開発が禁止されていたことや、その後、YS-11が生産されたものの、事業としては失敗に終わったと指摘。一方、それから約半世紀が経過した今、日本企業はすでに「世界クラスの民間航空機の部品サプライヤーになっている」と紹介した。

 MRJの研究開発費は約1800億円で、既に国内外の企業から223機の受注を獲得しているが、記事は「MRJは燃費が良く、騒音も少ないという技術的に優位性がある」と紹介している。

 しかし価格面ではARJ21が優位に立っており、MRJが3-4000万ドルに対し、ARJ21は3000万ドルであると指摘。MRJは米国やヨーロッパの市場を念頭に置いて開発されているが、ARJ21は基本的に中国の国内市場向けに開発されており、欧米市場を土俵とするMRJよりARJ21がいくら安くとも、ARJ21は欧米では販売できないのだから比較の意味はないだろう。

 航空機の飛行においては、安全性が基準を満たしていることを証明する「型式証明」を取得する必要がある。自国以外の空港を使用するには相手国でも別途、型式証明を得る必要があるが、ARJ21は中国国内での型式証明は取得できたが、米国などでは取得できておらず、米国、欧州、日本国内では飛行することができず、販売することも不可能だ。開発状況ではARJ21がMRJを先行するが、市場の大きさではMRJのほうが分があると言える。MRJには世界に誇る名機となり、世界各地で活躍してもらいたいものだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)