体の不調を感じたら…デトックスする前に「知っておきたい」4つのコト

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私たちの生活の周りには、大気汚染、食品添加物、農薬、有機重金属などたくさんの有害物質(毒素)が存在しています。そして、私たちは知らず知らずのうちに体の中に有害物質を取り込んでしまっているのです。

人には体の中に溜まった有害物質を外へと排出する機能は備わっていますが、現代の生活では対処できていません。

そこで今回は、薬剤師の筆者が、病気だけでなく不調の原因にもなる毒素と体のデトックス機能についてご紹介します。

 

■現代人こそデトックスが必要

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有害物質には、野菜や果物の農薬、抗生剤を投与された肉・魚などの生鮮食品、飲料や加工品に含まれる添加物、有害重金属(水銀・カドミウム・スズ・鉛など)、大気汚染(硫黄酸化物、窒素酸化物、PM2.5、光化学オキシダント)などがあります。

これらの有害物質を体に取り込むことで、不調やアレルギーを起こしやすくなっています。しかし、全て除去することは産業や科学の進歩からほぼ不可能です。

だからこそ今、体を内側からキレイにするデトックスやクレンジングを定期的に行う必要があるのです。

デトックスやクレンジング法にも、スムージー、酵素ドリンクを用いたファスティング、デトックス・ウォーター、ジェモセラピー、水素水、マッサージ、岩盤浴など様々なものがあります。

 

■デトックスするなら知っておきたい「体のしくみ」4つ

デトックス法は、元々人にあるデトックス機能を高めてくれます。そのため、デトックス法を実践する前に体のしくみを知ることが大切です。

(1)7割を占める…腸

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腸では便による排泄が行われ、主に肝臓で代謝された脂っぽい毒素(脂溶性毒素)から死んだ細胞まで排泄されます。デトックスの中でも全体の7割以上を占めているのが腸です。そのため、しっかりした腸内の排泄習慣が必要。

便秘による宿便で毒素を長時間滞在させたり、脂っぽい物質を再利用しようとする腸管循環という機能があったりすることで間違って悪いものを体の中に再度めぐらせてしまうことがあるのです。

(2)解毒するのは…肝臓

肝臓は栄養を蓄えるだけでなく、体に入ってきた毒素を解毒して、体の外へ排泄しやすくする代謝機能があります。アルコールを解毒しているのも肝臓なのです。

“基礎代謝”という言葉耳にしたことがあるかと思います。しかし、肝臓の解毒による代謝とは少し意味合いが違います。

基礎代謝は、筋肉などで血流を良くすることでエネルギーを効率よく消費し、体温を上げたり、脂肪燃焼することを主に指すからです。

ただ、血流を良くすることで、肝臓に流れる血液も増えます。そうすると肝臓の解毒機能も上がるので、基礎代謝を上げることがいいことであることには変わりありません。

(3)ミネラルに注意…腎臓

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腎臓では主に水溶性毒素が排泄されます。1日に水を1〜1.5リットル飲むと体液量が増える分、腎臓からの排泄が促されます。

その時に注意したいのが、あまりミネラルが多い水をたくさん飲むと腎臓に負担になったり、お腹がゆるくなったりします。硬度が100を超えるような海外のミネラルウォーターを飲む時は、硬水と軟水を組み合わせるなどの工夫をしてみてください。

水素水も活性酸素を除去する働きと腸にも作用してデトックスを促進しますが、飲みすぎるとお腹がゆるくなるので注意が必要です。

(4)脂っぽい毒素には…汗

汗も効果的なデトックス方法の1つで、脂っぽい毒素の排泄に関係します。

運動をしたり、岩盤浴やマッサージなどでリンパの流れを良くして汗を出すことで、より一層デトックス効果が期待できます。血液の流れが良くなり、体の調子も良くしてくれます。

 

様々あるデトックス法ですが、どれも体の機能を高めることを目的としています。体の働きを理解して、自分の生活にあった方法で体の内側からキレイになれるようにしてみてくださいね。

【著者略歴】

宮本知明 ・・・ 薬剤師×植物療法士。病院薬剤師を経て「薬と共存しない生活」の念いからホリスティックな健康観と出逢う。現在は、統合医療の知識をもった「ホリスティックな健康観を持つ女性」を育成する活動をしている。

【画像】

※ Alena Haurylik、Tarasyuk Igor、chombosan / shutterstock