中国政府・環境保護部の陳吉寧部長(環境保護相)は11日、開催中の全国人民代表大会(全人代)にともなう記者会見に出席して、深刻なPM2.5などによる大気汚染の発生について、「人のせいか、気象のせいか」と尋ねる声もあるとして、まずは人の出す汚染物質が原因と考えるべきと説明した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国政府・環境保護部の陳吉寧部長(環境保護相)は11日、開催中の全国人民代表大会(全人代)にともなう記者会見に出席して、深刻なPM2.5などによる大気汚染の発生について、「人のせいか、気象のせいか」と尋ねる声もあるとして、まずは人の出す汚染物質が原因と考えるべきと説明した。

 陳部長は、PM2.5など微粒子を大量に含み、中国では「毒スモッグ」などとも呼ばれる大気汚染について、発生の抑制は3段階あるとの見方を示した。

 第1段階では、とにかく汚染物質の排出を、自然の自浄能力の限界内に収めることが必要と強調。ただし、その段階では汚染のメカニズムの解明も不十分なことも加わって、最大の努力をしても効果は小さいとの考えを示した。

 第2段階としては、汚染物質の排出抑制の効果が出始めるが、気象状況次第では深刻な汚染が発生することもあると説明。スモッグが発生する要因としては「人」による汚染物質排出の次に、「不利な気象条件」があると主張した。

 例として、2015年の末に発生した極めて深刻な大気汚染は、エルニーニョ現象などで「風速が例年よりも5%減少」、「湿度が20%増加」、「大気の縦の循環が地上から100-200メートルにとどまった」ことが影響したと論じた。

 陳部長は、とにかく汚染物質の排出抑制は続ける必要があるとして、第2段階をさらに超えれば、気象条件によらず深刻なスモッグが発生しない環境を手に入れることができるとの考えを示した。

 陳部長は、酸性雨については、原因物質の排出抑制の効果がはっきりと出ていると説明。最もひどかった1990年代には、中国全体の30%程度の地域が酸性雨の影響を受けたが、現在は10%を切り8.8%程度にまで減らすことができたとして、スモッグの撲滅も「我々には可能だと信じている」と述べた。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)