足元が冷えていませんか(写真はイメージです)

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冬は心臓発作や脳卒中を起こしやすい季節。寒いと血管が収縮し血圧が上昇したりするからだ。これまで室内の温度ばかりに注目していたが、「足元の冷え」が心血管の発作を起こす心配があることがわかった。

2016年2月に開かれた日本心臓財団のメディアワークショップで、自治医科大学の苅尾七臣教授らの研究チームが発表した。

床からの高さが1メートル違うと10度も温度差が

これまでも室温の変化と血圧の上昇の研究が多数あったが、そのほとんどが床から1メール付近の気温が「室温」としていた。今回、苅尾教授らは床からの高さによって温度差があることに着目した。そこで、首都圏の100世帯の男女180人(35〜74歳)に協力してもらい、床から10センチ(足元)、1.1メートル(座った時の頭の高さ)、1.7メートル(立った時の高さ)の室温が血圧に与える影響を調査した。なお、100世帯中、20世帯が断熱性能の高い住宅、46世帯が低い住宅、34世帯が標準的住宅に住んでいた。

その結果、朝起床時の血圧測定時に、10センチの高さと1.1メートルの高さを比べると、高断熱性能住宅では温度差は0.5〜2度しかなかったが、低断熱性能住宅では5〜10度も温度差があった。冷たい空気の方が重いので、高さ10センチの場所の方が、温度が低い。

また、低断熱性能住宅の50歳以上の血圧を調べると、床から1.1メートルの高さの室温が10度下がると、最高血圧が平均5ポイント上がった。ところが、10センチの高さの室温が同じ10度下がると、平均9ポイントも上がった。足元の気温が低いと血圧の上昇が高くなる危険が示されたわけだ。

寝ていた時と立ち上がった時の頭の周辺の温度差に注意

床から10センチといえば、畳に寝ている状態の高さだ。朝の起床時に、寝ていた時と立ち上がった時の頭の周辺の温度差が激しいと、急に血圧が変わる恐れがある。冬の心血管の発作は朝が多い。

今回の結果について、苅尾教授は「床からの高さに温度差が大きい住宅に住んでいる人は、足元の冷えに注意し、室内の温度差がなくなるよう工夫をしてほしい」とコメントしている。