朝鮮半島の有事を想定した米韓合同軍事演習が7日から韓国各地で始まり、北朝鮮と韓国の間で「口先攻撃」の応酬が続いている。資料写真。

写真拡大

2016年3月11日、朝鮮半島の有事を想定して米韓両軍の約32万人が参加する合同軍事演習が7日から、韓国各地で始まった。朝鮮半島の緊迫が高まり、北朝鮮が「核攻撃」で威嚇すると、韓国は金正恩政権の中枢を狙った「斬首作戦」をちらつかせて対抗する。演習は4月30日まで。「口先攻撃」の応酬は当分、続きそうだ。

韓国メディアによると、過去最大規模になる今回の演習には、米軍は例年の2倍の約1万7000人、韓国軍約30万人が参加。米軍は原子力空母「ジョン・C・ステニス」、F22ステルス戦闘機、B2ステルス爆撃機などの戦略兵器も投入する。

これに対し、北朝鮮の労働新聞は演習開始前の4日付で、金第1書記が新型ロケット砲の発射実験を視察した記事を掲載。この中で「今後も核の武力を強化し、実戦配備した核弾頭をいつでも撃てるように準備しなければならない」とする金第1書記の言葉を伝えた。

さらに演習が開始された7日には、国防委員会の声明を通じ「総攻勢に入る」と警告。「われわれの軍事的な対応措置も、より攻撃的な核打撃戦になる」と強調してみせた。

一方、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は4日、「今回は必ず、核を放棄しなければ体制の生存が不可能だということをはっきりと分からせなければいけない」と述べ、北朝鮮の「体制の生存」に言及する強硬な姿勢を示した。

聯合ニュースによると、「核の威嚇」に対して韓国統一部の鄭俊熙(チョン・ジュンヒ)報道官は7日の定例記者会見で、「重大な挑発だ」としながら、「こうした挑発に十分対処できるあらゆる手段を講じている。鋭意注視している」と指摘した。

この「あらゆる手段」には、北朝鮮が「核攻撃」を踏み切る兆候を見せた場合、金第1書記ら政権中枢を排除することが選択肢に含まれているとみられる。韓国メディアは、イスラム過激派組織「アルカイダ」トップの「ビン・ラディン」暗殺などに出動した米軍特殊部隊が韓国入り、とも報道。作戦計画「5015」と呼ばれる先制攻撃には北朝鮮も神経をとがらせており、「敵対行為の極み」「危険千万」と非難している。

万一、開戦となったら、北朝鮮は朝鮮戦争時と同じような中国の全面介入がなければ、崩壊を免れないだろう。ベルリンの壁が崩れた後、旧西ドイツは東を「吸収合併」したが、今の韓国にそんな余裕はない。日本や米国も当然、戦争に巻き込まれる。誰も得をせず望んでもいないのに、言葉だけが際限なくエスカレートする。38度線を挟んで分断国家が向き合う朝鮮半島の危険な現実だ。(編集/日向)