北京市メディアの北京晨報によると、同市初の浮上式リニアモーターカー路線のS1線の建設工事が今年(2015年)中に完工する見通しだ。来年の開業が見込まれている。(イメージ写真提供:123RF)

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 北京市メディアの北京晨報によると、同市初の浮上式リニアモーターカー路線のS1線の建設工事が今年(2015年)中に完工する見通しだ。来年の開業が見込まれている。

 S1線は北京市市街地の西部を「乙」字型に走る路線で、蘋果園駅と石門営駅間の10.2キロメートルを20分以内で結ぶ。設けられる駅は8カ所だ。すでに4駅は完工に近づき、路線部分は約8割の建設を終えた。同リニア線についての技術はすべて中国で開発されたものという。

 蘋果園駅付近は2000年ごろは「市街地を少しはなれた郊外地区」とのイメージだったが、今後は同駅は複数の路線が集まる「軌道交通のハブ」として発達していくといく見込みだ。

 「リニアモーター」を使った軌道交通は、さまざまに分類され、特徴や用途も大きく異なる。実用化が最も早かったのは、駆動には「リニアモーター」を使うが車両の重量は車輪で支える「鉄輪式」などと呼ばれるリニアモーターカーだ。日本でも東京の地下鉄大江戸線など導入例は多い。鉄輪式リニアモーターカーは車体の断面積が小さいので地下鉄に利用した場合には、トンネルの断面積を小さくすることで建設費を抑えられる長所がある。

 高速を目指すリニアモーターカーとしては、上海の浦東空港と同市市街地を結ぶ、ドイツが開発した「トランスラピッド方式」のリニアモーターカーがある。同路線の最高速度は時速431キロメートル。朱鎔基元首相は「トランスラピッド」路線を中国全国に張り巡らせる構想に関心を持ったが、輸送量の問題などで現実味がないとして断念したとされる。

 日本がまず、中央新幹線として建設を進めているリニアモーターカーは「超電導リニア」と呼ばれる方式。これまでの「リニア」では技術的難度が最も高い。超低温で電気抵抗がゼロになる「超電導」、磁界を急速に動かした場合に生じる「電磁誘導」という現象を応用した技術だ。トランスラピッドの場合、地上側と車体側の間隔(ギャップ)が1センチメートルと狭いのに対し、「超電導リニア」では10センチメートルほどなので、地震にも比較的強いとされる。

 北京市で建設が進むS1線は、車体を浮上させるが高速を追求するのではなく、急こう配に対応しやすいことや低騒音などの特徴を生かす。日本で日本航空、ついで名古屋鉄道が中心となって開発し、愛知県の東部丘陵線で採用されたリニモに近い方式だ。S1線は、最高時速が100キロメートル程度になり、将来は増速の可能性もある。S1線のギャップは1ミリメートル程度という。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)