人口及び人口増減率の推移(「総務省統計局 HP」より)

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●少子高齢化で人口減少する日本の恐るべき近未来!

 先ごろ、5年毎に実施される国勢調査(2015年)の速報値が発表されました。同年10月時点で日本の総人口は1億2711万人(外国人含む)と、5年前の10年に比べ94万7305人(0.7%)減少し、国勢調査では初の人口減になったといいます。日本の人口は、すでに10年ほど前の05年頃から微減・微増の横ばいとなり、10年以降は確実に減り始めてきたことがわかります。

 ちなみに、15年の出生数は100万人で死亡数は130万人だったので、差し引きで同年だけで30万人の人口が減少しています。これから先、この減少数が増加していき、日本の総人口は、60年には9000万人を割り込み、65歳以上高齢者の人口比率はほぼ40%に及ぶと推計されています(国立社会保障・人口問題研究所による中位推計)。ちなみに、14年の高齢化率は26%で、国民の4人に1人が65歳以上高齢者ですが、60年には国民の半分近くが高齢者になるわけです。

 60年といえば、今20歳前後の人が、44年経ち65歳以上高齢者の仲間入りをする頃です。いうまでもないことですが、人口が減少すると、経済規模の縮小のみならず、社会的インフラの維持もままならなくなり、社会保障そのものが成り立たなくなるのは必然です。

 少子化対策が急務のはずが、「保育園落ちた日本死ね!!!」といった匿名ブログが話題になるほど、子育て環境ひとつとっても安心できない現況で、この国の政策はいつまでたっても無策に等しい状況に変わりがありません。18歳からの選挙権の行使で、若い人たちこそこうした政治のあり方を何がなんでも変えさせていく必要があるでしょう。

●社会保障給付額も急増している!

 ところで、15年の社会保障給付総額は約117兆円に上ります。00年には約78兆円だった総額が、15年間で39兆円も増えているのです。急増といってよいペースです。総額117兆円の内訳は、年金・約 56兆円、医療・約38兆円、福祉・約23兆円(介護・生活保護など)です。これが、25年には150兆円規模になると推計されています。

 もちろん、これらの社会保障はいずれも保険料では足らず、税金が投入されています。その額は、年金に約11.2兆円、医療に約11.5兆円、介護に2.7兆円、生活保護に2.9兆円、その他福祉5.5兆円で計33.8兆円にも上ります。さらに過去の積立金の取り崩しも行われています。

 年金積立金は、15年時点で135兆円ありましたが、昨今の株価乱高下で赤字になることも多く、毎年5〜6兆円の取り崩しが続いていますから、あと20年持つかどうかでしょう。この積立金が減り続ければ、当然国民年金と厚生年金の支給開始年齢を、65歳から70歳、70歳から75歳へと引き上げるほかないでしょう。なにしろ、国民年金が創設された1961年には男性の平均寿命は66歳、女性のそれは71歳でしたが、14年時点の平均寿命は男性80.5歳、女性86.83歳です。受給期間が飛躍的に伸びていますから、財政的に無理があるのは明らかなのです。
 
 また、医療費も現在は3割負担ですが、毎年1兆円も増大する状況では、5割負担、7割負担と上げざるを得なくなるでしょう。

 14年度の生活保護費は、過去最高の3.8兆円に上っています(国が75%、地方が25%負担)。13年度からは「生活扶助」、16年からは「住宅扶助」を減らしていますが、これも年々支給額が見直されていくのは必至です。

 ざっと見ただけでも、現役世代と高齢者世代の人口バランスが悪化するほどに、年金も医療も生活保護、介護などに大きなシワ寄せがいきます。国民は老いも若きも、これから20〜60年の長い人生を生きていくうえで、社会保障が崩壊していくのは間違いないのですから、自衛する以外にないわけです。

●「人生の3大無駄遣い」をやめること、家族のコングロマリット副収入を稼ぐことが必要!

 高齢者夫婦2人世帯の平均的生活費は、家計調査によると27万円です。厚生年金が受給できる高齢者夫婦世帯の現時点での受給額平均は19万円です。毎月の不足額が8万円ですから、年に96万円必要という計算になります。65歳から85歳までの20年間で1920万円になり、65歳から95歳までの30年間では2880万円です。

 これが老後に必要な資金は3000万円といわれるゆえんですが、病気・事故・怪我・自宅のバリアフリー化・介護施設入居など不意の出費を考慮しても、最低3000万円ぐらいないとどうにもならない現実があるのです。

 ましてや、前述の通り、近い将来に社会保障費がパンクするのは必至です。

 グローバル化や増税による可処分所得(税や社会保険支払後の手取り収入)の縮小が続く中、年金支給開始年齢の引き上げや年金減額の影響で、最低3000万円の老後資金でも不足するのは確実な情勢になっていくでしょう。

 もはや、現役世代の9割が、生活保護以下の貧困老後に陥るといってもよい状況が待ったなしに訪れるのです。

 筆者は、こうした危機的状況を回避するために、近著『老後に5000万円が残るお金の話』(ワニブックス)で「人生の3大無駄遣い」をやめ、自宅や家族の連携を生かしたかたちでの「コングロマリット副収入」を生み出す方法を提唱しています。

 人生の3大無駄遣いとは、住宅ローンによるマイホーム購入であり、民間の生命・医療保険への加入であり、子供にかける教育費もしくは都会でのマイカー保有のことになります。

 こうしたものが、なぜ無駄遣いになるかを金額換算で明らかにし、ほかの代替手段を講じることで軽く5000万円が残せることを明らかにしています。

 また、自宅や家族での連携によるコングロマリット副収入を上げれば、リート(不動産投資信託)や実物不動産投資、米国ゼロクーポン債活用法などで1億円以上の資産形成と、最低でも3%以上のリターンが継続的に得られるノウハウを提示しています。

 キモになるのは、独身より家族のほうが世帯収入にプラスになる好条件が整っていること、生計効率がグーンとアップすることを説いているものです。ぜひ、社会保障が崩壊する時代の備え方として、参考にしていただければ幸いなのです。
(文=神樹兵輔/マネーコンサルタント)