マレーシア航空MH370便が行方不明になってから2年。昨年1月、マレーシア当局は機体未発見のまま、「墜落し乗客・乗員239人は全員死亡」と発表したが、墜落原因などナゾは深まるばかりだ。イメージ写真。

写真拡大

2016年3月12日、北京を目指してクアラルンプールを飛び立ったマレーシア航空MH370便(ボーイング777-200型機)が、こつ然と姿を消してから8日で満2年が経過した。墜落を示す物証は、インド洋のレユニオン島で昨年7月に見つかった残骸の一部だけ。マレーシア当局が8日に公表した中間報告にも新事実はなく、ナゾは深まる一方だ。

マレーシア当局などによると、MH370便は14年3月8日午前0時41分(現地時間)、クアラルンプール国際空港を出発した。中国人153人を含む乗客・乗員239人が搭乗していた。同日午前1時すぎ、空域がマレーシアからベトナムに移る際、マレーシアの管制に「了解。お休み」と連絡したのが外部との最後の会話だった。

その後、MH370便はなぜか反転し、マレー半島を横切ってインド洋方面に向かい、機影が管制レーダーから消えた。通信サービス会社の衛星が同機の微弱な信号をとらえていたことから、インド洋を南に飛んで行った可能性が高まり、オーストラリア西方の広大な海域でマレーシアをはじめ、日本、中国、米国などが加わった大規模な捜索活動が展開された。

しかし、手がかりは全く得られないまま。機体未発見にもかかわらず、マレーシア政府は15年1月29日、「MH370便は消息を絶った後に墜落して搭乗者は全員死亡した」と正式発表した。

こうした中、15年7月になってインド洋西部のフランス領レユニオン島の海岸に航空機のものとみられる長さ約2メートルの金属製物体が漂着。欧米メディアなどは「仏検察当局が詳しく調べた結果、主翼に取り付けるフラッペロンと呼ばれる装置と判明し、装置内部に記載された番号がマレーシア機のものと一致した」と伝えた。米CNNなどは今月3日、「アフリカ東部モザンビークの海岸で、ボーイング777型機の機体の一部とみられる残骸が発見された」とも報じている。

墜落原因に関しては「機長あるいは副操縦士の関与説」「ハイジャック説」「機体故障説」などが取り沙汰されているが、いずれも証拠はなく臆測の域を出ていない。

比較的有力なのは、一部の航空専門家が唱える「何らかの異常を察知した機長が戻ろうとしたが、副操縦士ともども気を失い、自動操縦で飛び続け、燃料切れでインド洋のどこかに墜落した」という見方だ。2005年8月には、ギリシャのヘリオス航空522便(ボーイング737-300型機)が与圧システムの異常により、機長らが酸素欠乏で意識不明に陥り墜落、乗客・乗員121人全員が犠牲になっている。

飛行機が消えたケースは、ほかにもある。1979年1月30日、成田空港を離陸したヴァリグ・ブラジル航空967便(ボーイング707-320F貨物機)は、日本近海の太平洋上で消息を絶った。機体などは現在に至るまで発見されていない。マレーシア機の捜索は今年半ばに打ち切られる予定。マレーシア機もブラジル機と同じような道をたどり、今度は21世紀のミステリーになるのだろうか。(編集/日向)